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皮算用ならぬ緻密な数値目標を
政府が打ち出す政策や計画には、数値目標が掲げられる。アベノミクスの新3本の矢ならGDP600兆円、温室効果ガス削減目標は2030年度に13年度比26%減という具合だ。緻密に練り上げた数値もあれば、スローガン的な場合もある▼昨年末、安倍首相は訪日外国人数の目標値を上方修正した。観光立国を目指す計画の当初目標は20年に2000万人。年明けに公表された15年実績は1973万人だから、実質的に5年前倒しで達成したことになる。首相は「次は3000万人の高み」と強調した▼13年が過去最高の1036万人。14年は1341万人に増えた。15年は1700万人と予想されていたが10月時点で1600万人を上回り、最終的に5割近い増加になった。この勢いからは、次の峰も前倒しになる気配も漂う▼インバウンド需要の効果は大きい。ほぼ半数を占める中国人旅行者の爆買いは、百貨店や量販店などのマーケティング戦略を転換させただけでなく、日本経済の構造に強いインパクトを与えている▼変化が急激過ぎてハード、ソフトとも対応できていないのが現状だ。観光インフラの整備が急務とされるが、それで地方経済もインバウンド効果を取り込めるという簡単な話ではない。景気のいい数字で皮算用するだけでなく、緻密な分析が必要になっている。