2015年12月の記事を読む
2015年11月の記事を読む
2015年10月の記事を読む
2015年9月の記事を読む
2015年8月の記事を読む
2015年7月の記事を読む
2015年6月の記事を読む
2015年5月の記事を読む
2015年4月の記事を読む
2015年3月の記事を読む
2015年2月の記事を読む
2015年1月の記事を読む
2014年12月の記事を読む
2014年11月の記事を読む
2014年10月の記事を読む
2014年9月の記事を読む
2014年8月の記事を読む
2014年7月の記事を読む
2014年6月の記事を読む
2014年5月の記事を読む
2014年4月の記事を読む
2014年3月の記事を読む
2014年2月の記事を読む
2014年1月の記事を読む
2013年12月の記事を読む
2013年11月の記事を読む
2013年10月の記事を読む
2013年9月の記事を読む
2013年8月の記事を読む
2013年7月の記事を読む
2013年6月の記事を読む
2013年5月の記事を読む
2013年4月の記事を読む
2013年3月の記事を読む
2013年2月の記事を読む
2013年1月の記事を読む
2012年12月の記事を読む
2012年11月の記事を読む
2012年10月の記事を読む
2012年9月の記事を読む
2012年8月の記事を読む
2012年7月の記事を読む
2012年6月の記事を読む
2012年5月の記事を読む
2012年4月の記事を読む
2012年3月の記事を読む
2012年2月の記事を読む
2012年1月の記事を読む
2011年12月の記事を読む
2011年11月の記事を読む
2011年10月の記事を読む
2011年9月の記事を読む
2011年8月の記事を読む
2011年7月の記事を読む
2011年6月の記事を読む
2011年5月の記事を読む
2011年4月の記事を読む
2011年3月の記事を読む
2011年2月の記事を読む
2011年1月の記事を読む
2010年12月の記事を読む
ダウ・デュポン統合 異なる構造転換の歴史 シナジー発現いかに
▲ミッドランドにあるダウの本社(左)とウィルミントンのデュポンの研究開発拠点。
ダウ・ケミカルとデュポンの経営統合は化学業界における今年最大のニュースだ。対等合併により化学分野で世界一の売上高を誇る「ダウ・デュポン」となり、1年半から2年後には農業関連、素材科学、特殊化学品の3事業に分割される。この発表で一段と存在感を増したようにみえるのはファンド、なかでも「物言う株主」。サイエンスカンパニーとして事業構造転換中のデュポン、総合化学の構造を維持しつつ景気循環の影響を受けにくい事業シフトを目指してきたダウ・ケミカル。歴史が長く企業文化なども異なる両社の合併は成功するのか。化学産業は研究開発面など変化に長い時間を要する一方、市場からは短期的な成果も求められる。この二律背反をどう成立させるのかを含め、さまざまな問題を問いかける。
*投資家利点を追求*
3社分割の背景には、株価が事業本来の価値より低下するコングロマリット・ディスカウントがある。多角的事業展開は投資家にとって「分かりにくい」(証券アナリスト)との見方があり、事業ごとに分割して上場すれば収益性など透明感が高まり、株価収益率(PER)は上昇するとされる。事業分割にはリスク分散の意味もある。いずれも投資家の利点につながるとされる。だが、分割して企業価値を比較する際の類似企業の選定には恣意が入るという指摘もある。
PERが上がる一方、株価を決めるもう一つの要素として「1株あたりの収益性が下がる可能性もあり、分割がそのまま株価上昇に直結するとは限らない」(同)との見方がある。
デュポンは、時価総額重視の投資ファンドから2分割の提案を受けたこともあった。同社はバイオテクノロジーを軸とするサイエンス企業として農業、産業用バイオ、高機能材料の一貫体制の事業構造構築を目指し、分割を主張する投資ファンドの取締役選任要求を委任状争奪戦の上、退けた経緯がある。だが今年11月にCEOが交代、流れが変わった。農業事業の最適オーナーの確立も含めて、デュポンとの統合が理想的とするダウ・ケミカルとの合併が一気に進んだ。
2社統合による効果は30億ドルのコスト削減に加え、事業シナジーによる成長性によって測られる。農業関連では種子や農薬を主軸に世界トップになる。素材科学は石油化学をベースにする汎用分野でダウがサダラ計画、米メキシコ湾岸での新増設計画などに投資しており、コスト競争力を追求した成長が見込まれる。一方、デュポンはケマーズの分離で汎用化学品はゼロに近い。
*類似性低い事業も*
農業や電子以外、類似性の低い事業を有する両社の合併は「得意とする事業同士の切磋琢磨による新たな強みを追求するのではなく、(市場や技術などで)重ならない事業分野の統合はシナジーが生まれにくい」という内部関係者の声もある。
デュポンには、デュポン人を意味する「DuPonter」という言葉があるように独特の企業文化がある。その企業文化をベースにメガトレンドを追うサイエンス企業の道をひた走ってきた。一方、ダウは、1990年代の汎用化学、特殊化学、消費者製品の3事業領域の構築路線から、得意とする分野への集中路線、そして資産軽量化、市場密着型事業、さらには原料優位性を担保した石油化学事業の展開など、時代の趨勢に対応した自社構造を選択してきた。
今回の決定はウオール街には評価されているようだ。だが、事業構造転換の歴史も方向性も異なる大企業同士の合併が、高いシナジーと成長性を実現できるのかは未知数だ。特にステークホルダーの一つである働く人々のモチベーションの維持向上は合併における実際の成否を握っているといえそうだ。