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2015年12月18日 前へ 前へ次へ 次へ

技★術★伝★承 化学企業の挑戦 《5》

▲ダイセルの教育訓練センター


 840万件のノウハウを積み上げた果実は大きい。網干工場から始まったダイセル式の導入は全工場に及んで、ノウハウが拡大している。総合オペラビリティの技能認定制度に合格している現役の従業員は約200人。生産系の技術スタッフから工場長まで幅広い階層にダイセル式の核となる人材を生んでいる。

 ダイセルは日本に6つの工場を持つが、複数の工場を統合的に運営するには報告・連絡・相談の言語統一が必要となる。同社では言語だけでなく、配管図の統一ルールを作った。「5W1Hとタグナンバーで話ができる風土を作るため」(小河義美・取締役常務執行役員)だ。通常、タグナンバーは新設時には独自性を持たせた番号を振っているが、増設などが進むと、タグナンバー基盤が不足し、複数の工場で同一タグナンバーができる。これがERPによる一元化のネックとなり、部品、設備を特定するときにトランスレーションソフトである読み替えマスターが不可欠なものとなる。これに対してダイセルでは、配管図の作成時に全工場の機器を独自性を持った言い方に替えた。つまりある機器は1つしか存在しない、同じ機器でも他工場の機器は別の番号が振られているように替えた。

 この結果、読み替えマスターによるトランスレーションが不要になることで、サーバー数を5分の1、読み替えマスターは50分の1に減少させた。「一石三鳥」(同)、ノウハウ出しの時に、ノウハウを阻害している要因を修正し、同時に不具合、無駄ロスを削減することで「作業負荷件数は10分の1となり、人生産性は3倍となった」(同)。酢酸を例に取ると、無駄、ロスの削減により10%の増産効果を得ている。キャッシュフローの改善にもつながり、損益分岐点も大幅に下げることに成功している。

 同社のノウハウの一つを小河取締役常務執行役員は「成形機を例に取ると、主要の機器はスクリュー。その機能を分解すると、混合、脱泡、圧縮。その圧縮の部分を成形機ではなく、圧縮機でやれば画期的になる。ノウハウを紐解くと、本当の機能が顕在化し、求める機能は成形機のスクリューではなく、違う設備にあるということが分かってくる」と説明する。

 3つの革新の一つである「人・仕組みの革新」において、網干工場では、工場を製品別運営から機能別運営に変えるべく、各工程をモノの流れで垂直統合、社内サプライチェーンを1つの製造エリアとして括り直した。具体的には11あった製造課を有機エリア、セルロースエリア、エネルギーエリアの3つに集約し、各エリアの運転を統合生産センターの同一フロア内で行うようにした。そうすることで全体最適を追求し、エネルギーの最適化など様々なノウハウを生み出し、コスト削減に成功している。

 こうした膨大なノウハウをベースに3つの革新を経ていち早く次世代型化学工場となった網干工場は今、ある海外企業とその会社が23カ国に有する工場とサプライチェーンマネジメントで結び、バーチャルカンパニーの構築にも成功している。バーチャルカンパニーにより、ユーザーの生産計画を取り込むことで、ここでも生産計画の適中率を上げることによるキャッシュフローの改善が待っている。

 こうしたダイセルの技術・技能を次世代につなぐため、「モノづくりは人づくり」(同)を基本方針に、OJTとしては、ダイセル式生産革新で構築した知的統合生産システムにより、ノウハウや過去の類似トラブル、know―whyがオンタイムで見える仕組みを作りあげ、通常のプラント運転操作の中で学習できるようにしている。

 一方、Off―JTとしては、2002年、教育訓練センターを開設し、基礎教育、行動教育、体験教育を2泊3日で行っている。行動教育ではシミュレーションやマニュアル作りを行う。体験教育では体験型教育プラントを運転させ、受講者に見えないところで変調を起こし、その原因を考え、的確な対処がとれるかどうかを繰り返す。この受講対象者を、新入社員やオペレーター、技術者だけでなく、職場の管理者にも広げてきた。

 さらに13年には施設をリニューアルし、危険体感教育も強化している。また工場運営には欠かせない協力会社の作業者のスキルアップを目指し、各工場にメンテナンス道場も開設している。

(おわり)


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