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技★術★伝★承 化学企業の挑戦 《4》
▲「ダイセル式」を生み出した網干工場
生産現場の世代交代という危機を、次世代型化学工場の構築という機会に変えた会社がある。ダイセルだ。ダイセル式と呼ばれるプロセス産業の生産革新への取り組みは、他の化学企業よりいち早く1990年代に訪れた熟練層の大量退職への対応を迫られた網干工場から始まった。ノウハウとは何か、一見、見逃しそうなテーマに光を当て、突き詰めることでその裏にある生産現場の問題点の本質に迫り、ノウハウ、know―whyを解析、共有することを軸に革新的な生産体系の構築に成功している。
ダイセル網干工場の主力製品の一つ。酢酸セルロース。同工場での製造開始は昭和20年代後半に遡る。この時に採用した、熟練工が大量定年を迎えたのが1990年代。同時期に網干工場の係長クラスを集めた勉強会を主催したのが小河義美・取締役常務執行役員。テーマは「技能伝承と技術者の伝承」(小河取締役常務執行役員)。まず取り組んだのが、ノウハウの共有化。そのために「ノウハウとは何か、技術、技能、スキルとは何か」(同)という、現場に重要な言葉の定義つけからスタートした。また、ノウハウが伝承されにくいことの理由の解明にも取り組んだ。この結果、いくつかのことが明らかになる。作業者はノウハウを意識していない。このため、技術者と作業者の間で重要性の認識が一致しない。さらに本来、自分のミッション以外のことを良かれとやっているケースがある。「善意に頼った組織運営」(同)だ。また、属人性、ノウハウがknow―whyに裏付けられていないことに加えて、「日本人として従来大事にしてきたモノづくりの仕組みが逆に阻害要因になっていないかということを話し合い、ではノウハウを共有化するためにどのようなやり方が良いのかを考えていった」(同)。
この「人・仕組みの革新」「生産システムの革新」「情報システムの革新」の3つを成し遂げた工場を次世代型化学工場と定義、3つの革新を通じて、高度情報化工場を構築し、知恵を出し合う環境作りをし、知恵を活用して、ユーザーにより良いモノづくりをする。そうした工場を目標に描いた。
安全・品質・納期及び生産量・原単位を結果系として現場が意志決定するのをノウハウと位置づけ、結果系のノウハウ集積に取り組んだ。これは共有したノウハウを検索しやすくするためだ。さらには結果系からまとめることで「このアクションが安全に貢献した、コスト削減に寄与したということを明確にすることで、作業者の達成感をもっと引き出したいという狙いもあった」(同)。
ノウハウ出しを加速するため、オペレーター負荷件数と呼ぶ潜在化トラブル及びそのためのアクションを洗い出すことに取り組んだ。「作業負荷が多いときには認識しているノウハウが事後処置ノウハウしかない。だが、オペレーター負荷が下がってくるとその作業のなかに予防措置の強化も入る」(同)。この予防措置を多く表面化させることで、安定化、標準化、システム化という一つの工程の構築へ進む。「事後措置と発生源はほぼイコールで、予防措置はこれを大きく上回る数となる」(同)。安定化の段階からノウハウ出しを行うが、オペレーター負荷はいったん3倍から4倍に増え、それから下がっていく。それが取り組み前の2分の1から3分の1に下がった段階で標準化の準備に入り、4分の1まで下がることを確認してシステム化の段階に入る。
ノウハウを作業者から聞き出す時、プラント操業の上のセンサー情報、及びアラーム情報から想定できる全てのプラント状態、運転状況での判断・操作のための意思決定方法を網羅的にまとめた手法「総合オペラビリティ」を構築、これを身につけるため、技能認定制度を導入、know―whyと紐づけできたものを「製造技術ノウハウとして特定していく」(同)。網干工場で3年間かけて、ノウハウ出しを行い、現在、製造技術ノウハウが網干工場だけで840万件、ダイセル全体で一千数百万件に積み上がっている。