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医薬品製造立地で日本の魅力向上を
アベノミクスにおいて医療分野の輸出振興がうたわれているが、日本が医薬品・医療機器の輸出大国となるには、事業者サイドの競争力強化のみでは覚束ない。国の手で製造立地としての魅力を高めるための制度整備や財政的支援を行うことが不可欠だ。それによって初めて、成長戦略を支える産業の一つと言えるだけの基盤が整う。慢性化している医薬品・医療機器の貿易赤字の解消にも、つながるのではないか。
日本の2014年の医薬品関連の輸出額(OECD調べ)は37億ドル。欧米はドイツの750億ドルを筆頭に、スイス、ベルギー、米国、フランスなどで100億ドルを超す輸出があった。輸入をみると日本は220億ドルと、トップ米国の670億ドルには及ばないものの、スイスや英国と遜色ない。この結果、輸出から輸入を差し引いた額は、日本は180億ドル余りのマイナスとなった。足下では、今年上半期の医薬品の貿易赤字は1兆円を超え、通年で2兆円規模になることが確実。日本の全貿易赤字の6割を占める計算となる。
これら数字は、税制措置や優遇施策を含め、各国の製造立地としての競争力が反映されたもの。その点で日本の魅力が乏しいことを如実に物語っている。ただ別の角度からみれば、通関ベースでの物のやり取りに過ぎず、日本の医薬品産業の競争力が直接反映されているとはいえない。実際、製薬各社の海外売上高は年々増加している。
アベノミクスのなかには、橋渡し研究の拡充による創薬力強化、薬事制度改正を通じた研究開発の呼び込み、治験環境の整備など、投資対象としての日本の魅力向上につながる施策が盛り込まれ、確かに再生医療関連など一部成果が挙がってきた。しかし、これらの策のみで膨大な貿易赤字を解消し、日本の成長を支える産業にまで育成するのは当然難しい。
医療費削減が叫ばれるなか、製薬業界が求めている「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」の制度化も道程は険しく、いまだ実現していない。薬価の頻回改定をはじめ、製薬産業を衰退させかねない施策まで取り沙汰されているのが現状だ。
医薬品や医療機器の輸入超過は「公的保険の財源が海外流出すること」とイコールである。税と社会保障の一体改革を進めるのであれば、そのプロセスに成長戦略を組み込まないと財政破綻を早めることにもなってしまう。医薬品に関していえば、投資を促すための財政支援の拡充、ロードマップ策定を通じた明確な目標設定と、その実現に向けた具体策など、改めて強力な取り組みを求めたい。