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2015年04月30日 前へ 前へ次へ 次へ

実効あるオープンサイエンス戦略を

 オープンサイエンスへの関心が世界的に高まるなか、日本はどのように向き合うか、その基本姿勢と方針を内閣府と総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)が公表した。日本はこれまで踏み込んだ議論を行わなかったことで統一見解がなく、このままだと欧米の考え方が世界標準になる懸念があった。今回のオープンサイエンス推進戦略に基づき制度構築やロードマップ策定に取り組むことで産学官が協調し、知の創出やイノベーションにつながる挑戦が進むことを期待したい。
 報告書では、オープンサイエンスを公的研究資金を使って得た研究成果に容易にアクセスでき、利用可能とするサイエンスと定義した。紙媒体の有名科学誌に研究成果を掲載することで、功績となる考え方とはやや異なる。契機になったのはICTの進展とともに、2013年に英国で開催されたG8科学大臣会合の共同声明で、論文のオープンアクセス化に加えて研究データのオープン化に言及したことで議論が加速した。
 海外の代表的な取り組みには、NIH(米国立衛生研究所)によるパブリックアクセスポリシーとオープンの義務化がある。英国ではウェルカム財団による義務化、RCUK(英国研究会議)が13年からオープンアクセス方針を実行している。オープン化推進団体の立ち上げや、無料で閲覧できる学術電子ジャーナル「Scientific Reports」「PLOS ONE」など著者が掲載料を支払うタイプが存在感を高めている。
 日本は公的研究資金を受ける研究者の義務を周知するためのガイドライン策定、規則改正を通じてオープンサイエンス義務化に向けた方向性は示された。この恩恵を受けるのは、生命科学分野となるだろう。このほか、国内に散在するデータベースの統合・オープン化は、国際評価を高めることにもつながるなどメリットは多い。
 一方で産学連携による研究開発が増えるなかで、企業秘密、成果の商業化を目的に収集するデータ、民間企業保有データ、共同研究契約などの成果の公開は、対象外として考えるべきとした。ここで重要なことは、研究成果のオープンアクセス化と、特許など国益につながる守るべき技術情報を的確に仕分ける眼力を持った専門家が求められることだ。
 オープンサイエンスによって恩恵を受ける研究者のコスト意識を高めるよう意識改革も必要である。世界で日本勢が存在感を高め、研究開発をリードするためには報告書で示された課題を共有した戦略作りが求められるだろう。


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