2015年10月の記事を読む
2015年9月の記事を読む
2015年8月の記事を読む
2015年7月の記事を読む
2015年6月の記事を読む
2015年5月の記事を読む
2015年4月の記事を読む
2015年3月の記事を読む
2015年2月の記事を読む
2015年1月の記事を読む
2014年12月の記事を読む
2014年11月の記事を読む
2014年10月の記事を読む
2014年9月の記事を読む
2014年8月の記事を読む
2014年7月の記事を読む
2014年6月の記事を読む
2014年5月の記事を読む
2014年4月の記事を読む
2014年3月の記事を読む
2014年2月の記事を読む
2014年1月の記事を読む
2013年12月の記事を読む
2013年11月の記事を読む
2013年10月の記事を読む
2013年9月の記事を読む
2013年8月の記事を読む
2013年7月の記事を読む
2013年6月の記事を読む
2013年5月の記事を読む
2013年4月の記事を読む
2013年3月の記事を読む
2013年2月の記事を読む
2013年1月の記事を読む
2012年12月の記事を読む
2012年11月の記事を読む
2012年10月の記事を読む
2012年9月の記事を読む
2012年8月の記事を読む
2012年7月の記事を読む
2012年6月の記事を読む
2012年5月の記事を読む
2012年4月の記事を読む
2012年3月の記事を読む
2012年2月の記事を読む
2012年1月の記事を読む
2011年12月の記事を読む
2011年11月の記事を読む
2011年10月の記事を読む
2011年9月の記事を読む
2011年8月の記事を読む
2011年7月の記事を読む
2011年6月の記事を読む
2011年5月の記事を読む
2011年4月の記事を読む
2011年3月の記事を読む
2011年2月の記事を読む
2011年1月の記事を読む
2010年12月の記事を読む
正念場を迎えるLiB材料事業戦略
リチウムイオン2次電池(LiB)向け材料業界が揺れている。エコカーや太陽電池などの新エネルギー市場拡大とともにLiB需要は右肩上がりだが、その主要材料である正極材市場から、三菱化学と三井造船が相次いで撤退を決めた。成長分野といえども競争は激しく、今後も業界再編が避けられない見通しである。
産官学連携で一段の高出力・大容量化が進められているLiBの基本性能を決めるのが正極材だ。基幹部材として重要度が高いにもかかわらず正極材からの撤退が続く。三菱化学は増産投資を行って3元系正極材の拡販に努めてきたが、電気自動車をはじめとするエコカー市場の成長が期待外れで、採算が合わなくなっていた。
三井造船は戸田工業と共同で進めてきたリン酸鉄リチウム(LFP)正極材から撤退を決めた。2010年に「年5000トン体制を視野に入れる」ことを目標に参入、11年にはLFP事業会社「M&Tオリビン」を資本金1億円(三井造船出資比率51%)で設立。その後4億9000万円(同90%)に増資、工場も昨年5月に完成したばかりだった。安価な競合製品が増え、エコカーの普及も進まなかったことから結局、15年度をめどに清算することになった。
LFPは高いエネルギー密度が必要なスマートフォンには使えないが、定置用大型Libなど信頼性が求められる分野に最適とされてきた。ただ、技術体系が複雑なこともあって事業展開する大手はソニーなど数社に限られている。三井造船は今後の事業戦略に関しては「検討中」としている。
一方、パートナーの戸田工業はLFPの品ぞろえよりも、独BASFとの協業による3元系事業拡大に軸足を移している。同社もエコカーの急成長を見越して国内外で積極的な投資を行ったが、ビジネスモデルの変更を余儀なくされた。この計画の柱の一つになるのが豊富な資金力をもつBASFとの合弁事業で、「年内には具体化したい」と真剣だ。BASFも高機能三元系正極材の高い技術力を持つだけに、一気に供給体制を整えトップシェアを目指すことも十分に考えられる。
LiBは技術とコストの両面で改善余地がまだまだ大きい。LFPにしても「固相反応法」の三井造船は撤退するが、「水熱合成法」をとる住友大阪セメントは順調に事業を続けている。エコカーの性能向上には、正極材を含めて画期的な新材料が必要とされており、主要部材はすべて刷新される見通しだ。LiB開発国ならではの高い技術開発力をどう生かすのか、これからが正念場といえる。