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2013年08月30日 前へ 前へ次へ 次へ

動き出した創薬支援ネットワーク

 日本の成長戦略を支える革新的新薬創出に向けた研究開発・イノベーションの促進が急がれている。日本は米国に次ぐ創薬開発力を有するが、ファースト・イン・クラスの医薬品では大きな格差がある。無視できないのが、アカデミアによる基礎研究の成果が革新的医薬品創出に結びついていないことだ。この課題に真正面から向かい合い、日本の医薬品産業の競争力強化を目指す「創薬支援ネットワーク」が動き出した。
 医薬品開発は、疾病の本態解明などの理論や知識の探求という基礎研究に始まり、アッセイ系開発・スクリーニング・構造最適化・前臨床開発を経て治験薬による臨床に進む。その期間は10-15年と長期で、研究開発資金は1000億円を超える。この競争は熾烈で、1998年から07年の間に米国で承認された約250品の新薬のほぼ半数は米国発だ。日本は2番手グループだが、23品にとどまる。
 米国の創薬力を支えるのは、基礎研究の成果を新薬につなげる"創薬パラダイム"が大きい。この背景に90年代に始まった製薬業界の相次ぐM&Aで、企業の研究者がリストラ対象となって創薬人材が流動化したことがある。スピンアウトした研究者はベンチャー企業を設立、基礎研究と製薬企業の臨床研究の橋渡しを果たした。
 創薬研究においては、最適化研究を中心とする応用研究が"死の谷"と呼ばれる。この段階での戦略が創薬の成否を決めるが、米国に比較して基礎研究と臨床研究間の切れ目のない実効的な連携システムが整備されていないことが日本の創薬開発の弱点とされる。
 創薬支援ネットワークは厚生労働省の医薬基盤研究所を中核に活動を始めた。生命科学など優れた基礎研究と世界トップレベルの有機合成化学の技術を駆使して医薬品の実用化につなげる。研究基盤を整備している理化学研究所、世界最大級の天然化合物ライブラリーを有する産業技術総合研究所も参加して連携・協力体制を構築する。
 5月に医薬基盤研究所内に新設された創薬支援戦略室には30人の創薬エキスパートが集結しつつある。すでに革新的な創薬ニーズの情報収集、実用化の可能性評価などの活動に着手している。ネットワークを生かして新薬開発の国際競争力強化に貢献してもらいたい。
 日本経済の成長力が鈍化した要因にアジア企業の追い上げ・逆転が無視できない。しかし、製薬産業で基礎から創薬まで一貫して行えるのはアジアでは日本のみで、簡単に追いつかれることはないだろう、世界で注目される画期的新薬という高い志を持って挑戦してほしい。


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