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新味や具体性に欠けた農業再生計画
政府の「食と農林漁業の再生実現会議」はこのほど、農林水産業の競争力強化に向けた基本方針と今後5年間の行動計画を示した。農地の規模拡大や6次産業化、流通効率化などを通じて持続可能な農業の実現をうたっているが、当面、最大の焦点である環太平洋経済連携(TPP)への対応では「国民的議論を経て個別の経済連携ごとに検討する」と具体性に欠ける内容にとどまった。
同会議は先に、農業再生の中間報告をまとめていたが、今回の基本方針はほとんど骨子が同じだ。基本方針では「農林漁業は本来、成長産業」と位置付け、強みを伸ばして弱点を克服する視点が不可欠とした。持続可能な力強い農業実現を目指す競争力・体質強化策やエネルギー生産の資源活用、森林・林業再生、震災に強いインフラ構築など7つの戦略を提示、戦略ごとに今後5年間の行動計画を示している。
日本の農業が直面している課題の一つは、農業従事者の高齢化だ。農林水産省によると、基幹農業者の平均年齢は66歳(2010年度)を上回る。今後5年間でみれば、大量の農業者がリタイアすることになる。このため、徹底的な話し合いを通じた合意形成で集落の営農組織や農業法人に農地を集約する。平均的な農地面積を20-30ヘクタールに拡大することを目指すが、農地を手放す側にも奨励金を支払う仕組みとするという。
また、木質バイオマスなど再生可能エネルギー資源の有効活用や、木材自給率50%を目標とする国産木材の活用など森林・林業再生を明記した。
しかし、民主党政権が打ち出した戸別所得補償制度については、経済連携などによる環境変化に対応しながら「適切な推進と改革を進める」と玉虫色の表現にとどまっている。また、林業再生についても林業従事者の高齢化や輸入材との競合をどう克服するかという手順は示されていない。
政府は、高いレベルの経済連携と農業の再生はできるかできないかではなく、"しなければならない"と強調している。しかし、アジア太平洋経済協力会議(APEC)までに方針を決めるとしているTPP交渉への参加問題は喫緊の課題である。
農業再生実現計画は、農業関係者を中心とするTPP慎重派に対する重要な説得材料となるはずだった。しかし、この間のTPP推進派とのせめぎ合いの激しさにみられるように、インパクトに欠ける内容にとどまってしまった。TPP問題は政府の政治決断に委ねられたが、その結論に関わらずもう一歩踏み込んだ農林漁業の"再生計画"が必要となる。