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2011年07月19日 前へ 前へ次へ 次へ

連載1 震災とサプライチェーン 化学品需給を追う


「3・11」何が起き、どう変わる

鹿島被災、素材から製品まで影響

 東日本大震災は日本の製造業のサプライチェーンに大きな爪跡を残した。生産活動そのものに影響を与えただけでなく、代替供給などの災害対応力をはじめとして多くの問題が表面化した。その一方、化学素材が幅広い分野で重要な役割を果たしていることをあらためて浮き彫りにした。官民挙げての努力により生産活動は正常化しつつあるが、電力問題など新たな課題が浮上、需要業界の動きを含めて先行きは見通しにくい状況だ。「3・11」以降の化学業界の動きを追い、何がどう変わろうとしているかを探る。 (特別取材班)
※独禁法恐れ及び腰※
 今回の震災は、緊急時のサプライチェーン維持をめぐる、さまざまな課題を露呈させた。例えば、代替生産や応援出荷。多くの企業は独占禁止法への抵触を恐れて業界内の調整に及び腰だった。製品によっては所管する法律や規制が複数の官庁にまたがることも大きなネックになった。供給途絶を回避するためには緊急の対応が求められたが、関係当局間の調整や規制緩和措置も必要だった。
 材料メーカーにとっては顧客や機種ごとのカスタマイズが差別化の大きな武器だが、他方で膨大な数のグレードは安定供給の負担になりかねないという課題も突きつけられた。各社が個別に最適化したサプライチェーンは、緊急時に柔軟な対応がしにくくなるという構図だ。さらに、計画停電が実施されたことによって、医療用ガスの安定供給が妨げられるなど、産業界の震災対応とインフラ復旧を進めるうえで、混乱を招いた分野も少なくない。1面連載.bmp
※「Kプロ」立ち上げ※
 化学業界でも多くの事業所が被災したが、東日本における石油化学の中核拠点である鹿島コンビナートの操業停止は、誘導品の生産はもちろん、幅広い分野のサプライチェーンに大きなダメージを与える強い懸念があった。経済産業省は震災発生直後から被害状況などの調査に着手し、鹿島が津波によって港湾関連など多くの設備が被災した実情を把握。多方面への影響を鑑みて、早期復旧を目指す緊急対策「Kプロジェクト」を立ち上げた。製造産業局担当の大臣官房審議官をトップに、化学課のほか需要業界を所管する自動車課、情報通信機器課などもチームに加わった。現地事業所のチーム、関連企業の本社チーム、地方自治体と密接な連携を取りながら対応を進めた。
 三菱化学・鹿島事業所のエチレンプラント2基の年産能力は80万トン。国内の1割強を占めるだけに、誘導品や中間部材、最終製品の需給に大きな影響を及ぼす。エチレンを原料とするエチレンオキサイド(EO)が減産を余儀なくされれば、界面活性剤、洗剤メーカーの生産に影響が出かねない。ポリエステル系材料の原料であるエチレングリコール(EG)であれば、繊維製品、ペットボトルだけでなく医療用レントゲンフィルムにも余波が及ぶ。自動車の窓枠防水部品などに使われるエチレン・プロピレンゴム(EPDM)も誘導品の1つだ。
 エチレンだけでも影響は広く大きい。鹿島コンビナートではプロピレン、カ性ソーダや塩素を生産する電解設備なども止まった。基礎素材が果たす役割は関係者の想像を超えて大きかった。「結局、震災(の影響)は鹿島にはね返ってくる」(化学課)というほどの存在感だ。
※定修の延期が実現※
 紆余曲折を経て、鹿島の第2エチレンプラントは予想を上回るスピードで5月20日に再稼働にこぎ着け、深刻な供給不足は回避された。ただ、同プラントは6月末に定期修理を予定していたため、2カ月もたたないうちに生産を停止せざるを得ない。安定供給を確保するためには、定修時期の延長がぜひとも必要だ。
 エチレンプラントは高圧ガス保安法、消防法、労働安全衛生法に基づき定修が義務付けられている。それぞれの立法趣旨によって経産省の原子力安全・保安院、総務省、厚生労働省が別々に所管し、定修時期変更の最終的な判断は知事の権限。調整作業を経て8月末への延長が実現した。
 6月30日には第1エチレンプラントも復旧作業に続いて定期修理を終え操業を再開。誘導品プラントも順次再稼働を果たした。
    (随時掲載)


【写真説明】
鹿島コンビナートの被災は幅広い分野のサプライチェーンに大きなダメージを与える可能性があった。


Copyright(c)2010 The Chemical Daily Co., Ltd.