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2011年03月14日 前へ 前へ次へ 次へ

化学産業による人材育成支援の意義

 化学産業界が大学院化学系専攻(博士後期課程)の人材育成を支援する「化学人材育成プログラム」が、4月からスタートする。産学の緊密な連携によって化学系博士人材を巡る好循環を形成する制度として高く評価するとともに、多大な成果に結びつくことを期待する。
 このプログラムは、化学企業が望ましいと考える教育カリキュラムを進める大学院化学系専攻に対し、化学産業界が総合的に支援するもの。高い専門性と幅広い周辺知識を持ち、リーダーシップやコミュニケーション能力、グローバル感覚を備えた高度研究人材を輩出するための基盤と位置付けられる。
 日本化学工業協会に設置した「化学人材育成プログラム協議会」を窓口に、支援を希望する専攻を毎年公募し、審査を経て支援対象を決定する。支援内容は、各専攻の取り組みのPR、カリキュラム改革への協力、就職相談や企業情報の提供、学生と会員企業の相互交流のための定期的な研究発表会など総合的なもの。最大の目玉はひとり月額20万円の奨学金。毎年4専攻に進学する学生に3年間支給する。5年目には36人に年額240万円が支給される。奨学金は、協議会参加企業が毎年250万円を寄付して賄う。
 わが国製造業の競争力を維持・向上する上で、高度な研究人材の育成は不可欠。その一方、産業界のニーズと大学院の教育内容のギャップに加え、経済的理由や雇用面での不安から博士課程への進学を断念するケースも多く、博士人材が充実しにくい環境にある。
 昨年4月に経済産業省がまとめた「化学ビジョン」の研究会でもこの問題が議論された。米国では、博士課程学生はリサーチ・アシスタント制度によって経済的な基盤を確保できる。それに対し、日本には同種の経済支援はほとんどない。「日本の学卒者は5年目で年収500万円程度。同年齢の博士課程修了者は、その時点で700万円の借金を抱える」という実情も紹介されたという。
 修士課程の学生にとって、プログラムの奨学金は強いインセンティブになる。3年間の経済的基盤が安定し、就職相談などの支援が受けられるなら、博士課程に進学するという学生は増える。対象に選ばれた専攻は、多面的な支援によってさらなるレベルアップができる。
 化学は、あらゆる製造業の研究開発力、技術力の基盤を支える。国内最高水準の奨学金を含め、他に類のない人材育成制度を化学産業が構築した意義は大きい。化学ビジョンの提言から1年足らず。短期間でこれだけの仕組みを整えた産官学の関係者の尽力も多としたい。


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