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2011年03月09日 前へ 前へ次へ 次へ

GM作物に背を向けることのリスク

 国際アグリバイオ事業団(ISAAA)によると、2010年の世界の遺伝子組み換え(GM)作物の栽培面積は前年比10%増の1億4800万ヘクタールに達した。96年に商業栽培が始まったGM作物は、今や29カ国で栽培されている。GM作物には安全性、農業の持続的発展など不安が指摘されてきたが、15年間の栽培実績を通じて導入の利点が多いことが確認されてきた。わが国はトウモロコシなどGM作物を大量に輸入しているにもかかわらず、栽培実績は皆無に近い。栽培を認めない"リスク"も認識すべきである。
 GM作物を最も大規模に導入しているのは米国で、世界の栽培面積の45%程度を占める。続いてブラジル、アルゼンチンが、それぞれ2000万ヘクタール以上の栽培を行った。大豆、トウモロコシ、綿花が主要作物だ。注目されるのは栽培国の約3分の1に当る19カ国が発展途上国。一方で、先進国ではスウェーデンが新たに栽培を始め10カ国になったが、GM作物を輸入している国・地域は30を数える。
 GM作物に対する安全性の懸念は、この間の商業栽培を通じて従来作物と同等、もしくはより安全な食品であることが確認されている。環境に対する影響でも生物多様性の維持・共存、害虫抵抗性(Bt)の管理によって持続可能性を保全している。加えてGM作物栽培による経済合理性、食料・飼料・繊維などの安全保障、CO2削減にも貢献している。発展途上国では、農業の生産性向上やコスト削減を通じて農業所得が大幅に増加している。
 現在、世界の直面する課題に、食料需要が確実に増加を続ける中で、いかに安定的かつ低コストで供給するかがある。最近の穀物価格の高騰は、世界各地で社会不安を引き起こしつつある。中国の胡錦濤国家主席は「農業部門の持続的な拡大と競争力を維持するために、先進的な栽培技術の開発に真剣に取り組む」という発言にみられるように新興国、途上国の政府首脳からGM作物へ期待が高まっている。日本同様にGM作物に慎重な姿勢を崩さない英仏の指導者からも、不可欠な作物という発言が相次いでいる。
 さらに、乾燥耐性の高いトウモロコシ、ビタミンA欠乏の解決策として開発されたゴールデンライスなど有用性をより高めたGM作物の技術開発が進み、数年内に栽培、普及が見込まれている。GM作物を取り巻く国際状況が様変わりする中で、わが国は世界から取り残されつつある。このままでは日本農業の競争力強化を阻害するばかりか、消費者に先端技術の恩恵をもたらさないということになりかねない。


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