マグネシウム合金、MDF法の実用化活発に、世界最高強度品を量産化

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 降温多軸鍛造(MDF)法によるマグネシウム合金の実用化が活発化している。工業炉メーカーのサーマル(東京都板橋区)がアルミ合金と同等の機械的特性を有するブロック材の普及拡大に取り組む一方、同製法を開発した電気通信大学の三浦博己研究室では機械加工メーカーの川本重工と共同で来春から改良型MDFによる降伏応力530メガパスカル合金の量産化に乗り出す。MDF法はレアアース(希土類)を添加せずに高強度化できるのが特徴。こうした取り組みがマグネシウムの用途拡大につながるか、今後の動向が注目される。

 実用金属の中で最も軽量なマグネシウム合金は、塑性加工が難しくアルミ合金と比べて強度的に低いため構造部材用途への適用が進んでいない。MDF法は鍛造により金属組織を微細化することで合金の機械的特性を向上できるのが特徴。温度を下げながら軸を変えて複数回鍛造することで結晶粒径を1マイクロメートル以下まで微細化することが可能であり、希土類を用いずに強度や伸びといった特性が実現できる。
 サーマルが展開する「スーパーMg」は、結晶粒径が0・63マイクロメートルで引っ張り強度がジュラルミンと同等の428メガパスカル、伸びは29%とジュラルミンの1・5倍を実現。素材のAZ61合金との比較では引っ張り強さで45%増、伸びで2・4倍の特性向上を達成している。保有する熱処理ベースを精密温度技術や鍛造技術、金型技術を開発することで量産化を可能としたもので、体積648立方センチメートルのブロック形状で供給する。ユーザー仕様に応じて合金特性の制御にも対応可能であり、輸送機器の軽量化部品や特殊用途部品向けなどでの採用を見込んでいる。
 一方、三浦研究室と川本重工では量産レベルで世界最高強度となる530メガパスカル合金の量産化を乗り出す。現在、より高強度化が容易な改良型MDFにより降伏応力520メガパスカル・伸び11%の大型材を試作中であり、来春には530メガパスカル・10%を実現することでサンプル供給を開始する計画。高強度化によりボルトなどの締結部品の軽量化や自転車部品などをターゲットに採用を提案していく考え。
 また、同研究室ではMDF技術の単純鍛造への適用にも取り組んでおり、すでに単純鍛造により市販のマグネシウム合金(棒材)で降伏応力250メガパスカル、最大引っ張り応力450メガパスカル、伸び6%を実現している。同取り組みについても、バルク材やビレット材、異形状材などへの適用や安価な高強度マグネシウム合金の大量生産などへの展開を検討していく。

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このページは、web staffが2011年11月 7日 18:38に書いたブログ記事です。

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