マグネシウム合金の利用拡大を目指した材料開発が活発化している。実用金属で最も軽い特性を生かすため、常温成形可能な板材などが開発・実用化されているが、新たに三協マテリアルが開発した小径連続鋳造ビレットの製造技術は、マグネ鍛造部品の用途を広げるもの。従来材に対して成形性の向上や材料コストの低減化のほか、「1・5倍程度の強度アップが可能であり、構造材用途での拡大が見込める」(同社)。相次ぐ材料開発を背景に、自動車分野などでマグネ合金がアルミ・樹脂に次ぐ第3の軽量素材として台頭してきそうだ。
マグネシウムは比重がアルミニウムの3分の2、鉄の4分の1と軽く、樹脂に対して耐熱性などに優れるといった特徴を持つ。以前から各種構造体の軽量化を図る金属材料として期待されているが、延性が低く塑性加工性に劣るといった製造上の課題や、アルミに比べて高い材料コストがネックとなり広く普及するまでにはいたっていないのが現状。こうした状況下、近年の軽量化ニーズの高まりを背景に板材を中心とした新材料の開発が相次いでいる。
三協マテリアルの新技術は、アルミ鋳造ビレットで実用化している断熱鋳型鋳造法を応用したもの。同製法は冷却水による急速凝固で金属組織を微細化するもので、これにより連続鋳造で結晶粒径が同社従来比2分の1となる最小50マイクロメートルと、微細な金属組織を均一に形成することに成功。その結果、小型鍛造品で不可欠な塑性加工工程を省略し、鍛造プロセスへの直接供給を可能としたほか、アルミ合金(6N01合金)並みの機械的特性をはじめ、従来に比べて鍛造プロセスの低温化や高速化、部品の複雑形状化を実現した。
「基本的にあらゆる合金組成に対して有効」(同)であり、価格も1キログラム当たり2000円程度と押出加工をともなう従来材に比べて約半分の低コスト化も達成しており、軽量・高強度という特性を生かして自動車や鉄道車両、航空機といった輸送機器をはじめ、光学機器、産業機器、福祉機器分野などでの採用を見込んでいる。
すでに直径50?100ミリメートル×長さ4・5メートルのビレット量産技術を確立しており、「最大で年産550トン」(同)の16本の同時生産が可能な連続鋳造システムを構築ずみ。また、合金種もAZ31合金(1%Ca)、AZ80合金(同)を主にユーザーニーズに応じた材料を提供するとともに、加工メーカーと共同で設計提案もしていく考えだ。
現在、「購買・資材調達部門よりも技術・開発部門からの引き合いが多い」(同)ことから、単なる材料置換にとどまることなく材料としての可能性を追求する方針。量産化によりさらなる低コスト化が可能なことから、普及促進により5年後を目標に1キログラム当たり1000円の実現を目指す。

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