自動車をはじめ建設機械や産業用ロボット、印刷機械などに使用されるニードルベアリング。「ころ」として組み込まれる鋼線は、高い形状および寸法精度が要求される。住友金属小倉のニードルベアリング用鋼線は、三方ロール圧延機を活用した圧延法の開発により、従来のダイス伸線方式と比べてコストおよびリードタイムを削減したのが特徴。このほどその革新性が評価され、日本塑性加工学会の技術開発賞を受賞した。
ニードルベアリング用の高炭素クロム鋼線は、ベアリング内部で滑らかに転がることが要求されるため、断面が真円に近く直径誤差が小さいことが必須。現在、その製造には高い形状精度と寸法精度が得られるダイス伸線が採用されており、所定の内径の穴をもつダイス(工具)のなかに鋼線を通して引き抜くことで加工されている。しかし、同製法は断線を防止するため目標サイズまで伸線および焼き鈍し(焼鈍)処理を何度か繰り返す必要があり、工程が複雑でリードタイムが長いという課題があった。
住友金属小倉が開発した製造法は、ロール形状の最適化などにより三方ロール圧延機で冷間圧延するもの。圧延加工のため断線が発生しにくく、安定的かつ優れた形状精度および寸法精度を実現することで、1回の冷間圧延で最終形状まで仕上げることが可能。新技術によりダイス伸線とその間の焼き鈍し処理を省略することができ、コスト削減と大幅なリードタイム短縮を達成している。
同社では、差別化商品の1つとして同鋼線を展開していくほか、今後も革新的な製造プロセスの開発に取り組む方針。

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