三協マテリアルは、マグネシウム鍛造事業の本格展開に乗り出す。合金製造工程からの一貫体制を強みに、AZ80合金をはじめとする自社製造の鍛造用合金により市場開拓を推進するもの。用途開発では、優れた機械的特性を活用して自動車や産業用ロボットなどをターゲットとした製品開発に取り組むほか、鍛造用合金の外部販売にも積極的に対応する方針。同社では、積極的な取り組みによりマグネ鍛造品の市場育成に努める。
マグネシウムは比重がアルミニウムの3分の2、鉄の4分の1と実用金属の中で最も軽い金属。構造材用途では耐熱性や機械的特性を向上した合金として用いられている。これまで常温での塑性加工がほとんど不可能なため、成形品は鋳造技術の一種であるダイカスト法や射出成形(チクソモールディング)法、温間プレス加工により製造されてきた。
同社は、三協・立山ホールディングスグループのアルミニウムおよびマグネシウムの押出加工メーカー。マグネシウム事業では、合金開発をはじめスラブ・ビレッドといった材料製造から加工までの一貫体制を構築。押出製品では業界トップクラスの14インチビレッドに対応した大型形材の製造が可能なほか、グループの三協ワシメタルを核に鋳造品事業を展開している。今年6月には原材料の鋳造工程を担う富山合金を統合し、事業基盤のさらなる拡充を推進する。
同社では、07年に合金鋳造工程におけるSF6フリー化技術を世界で初めて確立するとともに、国内最大級の350ミリ幅の押出コイル材の成形技術を開発。また、08年には押出用マグネシウム合金として最も強度の高いAZ80合金を使用したカメラ鏡筒部品の量産化に成功するなどマグネシウム製品の市場拡大に取り組んできた。
鍛造事業の本格展開もこうした取り組みの一貫として推進するもの。AZ80合金を基本にAZ31合金やCaの入った難燃マグネシウム合金AZX系やAMX系といった開発合金などをニーズに応じて提案することで用途拡大を図る考え。鋳造品に比べて強度面などで高品質・高信頼性を確保できることから、自動車部品では軽量性や高強度を生かしてピストンやサスペンション周りの用途を検討していくほか、優れた振動吸収性(減衰性能)を生かして産業用ロボットアーム部材などへの展開を見込んでいる。

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