アイシン精機、高速アルマイト処理技術を開発、エンジンピストン対象

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 アイシン精機は、耐摩耗アルマイト処理の高速化技術を開発した。エンジンピストンを対象とした新技術は、高速化を目的とした電流密度の上昇により増加する発熱量を独自の高速冷却機構により抑制することで、処理時間を従来の24分の1に短縮化することに成功したもの。これをベースに前後の加工工程との一貫同期化を実現し、従来のバッチ式に対して電力消費量の30%削減などを可能とする高効率生産プロセスを確立した。すでに国内7ラインで新技術を導入しており、同社では海外拠点を含め横展開を図っていく考え。

 軽量化を目的に一般的に採用されているアルミ製のエンジンピストンは、その過酷な使用環境から耐久性を確保するために、頂面に1番近い溝に耐摩耗性付与を目的としたアルマイト処理が施されている。ピストンには展伸材などに比べてシリコン(Si)量が高い材料が使われており、従来の手法では高速化を目的とした成膜のため電流印加を上昇させた場合に発生するジュール熱が高くなり、要求品質を満たすことができなかった。
 新技術は、回転するピストン部品に対して側面からアルマイト処理液を直接噴射するもの。被膜界面で熱交換された処理液を高速で拡散することで冷却効率を従来の16倍まで向上させており、高速化を目的とした電流密度の上昇を可能とした。同社では噴射口の位置や数、流量などの最適化を行うとともに、独自の電圧制御により面粗度を確保することで実用化を果たした。
 また、この技術をベースにアルマイト処理装置の小型化を進めるとともに、処理時間の大幅な短縮化を背景に加工やマスキング、洗浄といった前後工程との一貫同期化を実施。インライン化を実現することでに従来のバッチ式に比べて設備スペースが12分の1と生産ラインのコンパクト化を達成している。新技術の開発により、電力消費量や洗浄で使用する硫酸の処理量の低減をはじめ、連続一貫生産による生産性向上などを可能とした。
 同社では、今後も技術開発をベースにさらなる生産性向上に取り組むことで自動車分野における競争力強化を図る。

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このページは、web staffが2009年11月26日 23:04に書いたブログ記事です。

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