帝人は、非可食資源由来の新規バイオポリマーを開発した。木質バイオマスから得ることができる芳香族化合物のバニリンを精製後、各種触媒を用いて重合したもので、代表的なバイオポリマーであるポリ乳酸(PLA)よりも約100度C高い融点を持つ。また、ポリフェニレンサルファイド(PPS)に近い機械的特性を有していることから、エンプラが多く使われている自動車や電気・電子部品用途での利用が可能という。非可食資源の活用がバイオプラ普及の大きな課題となるなか、同社ではさらなる物性向上や重合技術の確立などを図り、早期実用化につなげていくとしている。
帝人は、植物由来の高耐熱性バイオプラ「バイオフロント」を展開している。バイオフロントはPLAに使用されるL乳酸と、その光学異性体であるD乳酸を原料とし、一般的なPLAの融点が170度Cであるのに対し、210度Cという耐熱性を有している。
汎用性の高いポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリエチレンテレフタレート(PET)の代替素材として利用が可能で、すでに自動車向けのシートファブリックとして実用車両に搭載されている。
今回、バニリン由来の4?(2?ヒドロキシエトキシ)バニリン酸メチルからポリエステルを高重合度で合成することに成功した。バニリンは、木質バイオマスであるリグニンから得ることができる芳香族化合物で、食品や化粧品などの香料や医薬品原料として使用されている。
得られたバニリン系ポリエステルは、融点275度C、ガラス転移温度82度Cで、従来のバイオポリマーにはない高い耐熱性を有している。また、ほとんどの溶媒に侵されることがなく耐溶剤性に優れるほか、PBTやPPSといった結晶性樹脂同等の半結晶化時間を示すなど、高い成形性を有しているという。
耐衝撃性などPPSに近い機械的特性を有していることから、同社ではICレギュレーター、燃料ポンプインペラー、ハイブリッド車のインバーター部品といった自動車用途のほか、コピー機トナーカバー、マイクロスイッチなどの電子部品用途での採用を見込んでおり、エンプラの代替材料として実用化を目指していくとしている。
現在、バイオプラの原料には、トウモロコシなどの食料が主に使用されているが、今後の普及にはセルロースをはじめとする非可食資源の利用が欠かせないとされている。
同社は従来のPLA系材料に加え、エンプラ代替が可能な非可食資源由来材料をラインアップに加えることで、バイオプラ事業の早期拡大につなげる考えだ。

コメントする