日産自動車は、作業性に優れる低透過燃料ホースを開発した。PZEV(先進技術搭載車)用に開発した新燃料ホースは、フッ素樹脂FEPフィルムを中間層に、内層をフッ素ゴム、外層をヒドリンゴムとした3層構造をしている。3元系フッ素樹脂をバリア層とした現行の多層ゴムホースに比べて、E10燃料での燃料透過量を5分の1と低減するとともに、パイプ挿入力を大幅に改善した。同社では、PZEVエバボ規制に対応するフィラーホースとして2010年型セントラPZEVに採用している。
PZEVとは、米カリフォルニア州法で定められた電気自動車など排出ガスゼロ自動車(ZEV)の販売義務化にともない、その軽減措置として設けられたゼロ排出ガス車として部分換算可能な自動車のこと。PZEVとして認められるには、燃料系からの蒸散HC(炭化水素)の排出量を大幅削減することが求められている。
日産自動車では、軽量化や設計自由度の観点から樹脂製燃料タンクシステムを積極的に採用しており、PZEVでも06年に発売したアルティマPZEVから搭載している。LEV?規制のPZEVカテゴリーでは、燃料系全部品からの燃料透過量が54ミリグラム以下となっており、タンク本体の次に透過量の多いフィラーホースの低減化を取り組んできた。
新低透過燃料ホースは、蒸散HC量の低減化の広がりとともに、CO2排出削減を背景とするE10燃料の普及を視野に開発したもの。FEPフィルムに特殊接着剤を塗布し、内側のフッ素ゴムにラッピングさせた後に外側のヒドリンゴムを被覆することで製造する。低温柔軟性や層間接着性、低温シール性といった耐燃料性においてE10燃料および劣化燃料に対して現行ホースと同等の性能を実現するとともに、耐振動疲労特性についても実使用上問題のないレベルを確保。また、多層ゴムホースはホースの剛性が高くなる傾向があるが、新低透過燃料ホースはFEPの低弾性率および優れた耐燃料透過性による薄肉化から作業性を向上させている。

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