日産自動車は、自動車開発・試作におけるCAE(コンピューター支援エンジニアリング)活用強化の一環として、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)に特有のNVH(騒音・振動・突き上げ)や熱処理問題などでの適用を目指す。同社は、すでに新車の開発?試作工程の5割程度でCAEを適用しており、将来はその比率を7割まで高められると予想している。
解析ソフトウエアのイーエスアイ(ESI、本社・フランス)が29日、東京・新宿で開催したユーザー会議「第20回 PAM Users Conference in Asia 2009」の基調講演で明らかにした。
日産自動車は、CAE技術の予測精度が高まるなかで、2001年にカルロス・ゴーン社長がスタートさせた自動車の開発期間の大幅な短縮と品質の向上を両立させるV?3P(Value Up for Product、 Process and Program Innovation)プログラム推進の一環として、本格的にCAEの適用を拡大した。
この結果、衝突実験などに使用する試作車の台数が大幅に減ったほか、試験回数そのものも1、2回程度ですむケースが大幅に増加するなど、それまで必ずしも良好でなかったCAE導入費用に対する効果(利益)が大きく改善し、同時に完成車の品質も大きく向上したとしている。
ただ、開発期間の短縮や、コストのかさむ設計のやり直しの回数が減少したことなどにより、新車の開発コストがこれまでより大幅に削減された結果、新たにCAEを導入(投資)してもその効果を創出するのが難しくなったともしている。
こうしたなかで日産は、今後のCAE機能を追加導入する重点分野として、EVやHEVが抱える新たな課題の解決を指摘。内燃機関だけの自動車と比較し、EVでは高周波ノイズの発生や、バッテリーによる熱の発生などが課題とされており、こうした課題をCAE技術で解消できれば投資に対する効果が高いとの認識を示した。

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