東レは、フィルム事業においてオンリーワン製品の育成に力を注ぐ。無金属で金属外観を表現できる易成形フィルムの量産体制を構築、本格供給を開始した。同フィルムは、従来のメッキ・塗装工程を省け、トータルコストの削減や環境負荷を低減できる利点がある。通信機器や家電用途で評価が進んでおり、自動車部品などにも用途を広げていく。このほか、燃料電池用途向けにポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルムのサンプルワークを本格化しており、2軸延伸ポリエステル(PET)フィルムや2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムに続く新たな柱に育成する。
金属光沢調・易成形PETフィルム「PICASUS(ピカサス)」は、異種ポリマーを数百?数千層、高精度に積層したもので、光が高輝度で反射することで金属を使用せずに金属調の光沢と質感を実現した。
メッキ・塗装を省けるうえ、樹脂との一体成形が可能で工程の簡略化が図れる。金属の錆が問題となる用途でも金属調の加飾が可能。また、電磁波を透過するため、通信機器などに幅広く利用できる。
このほど、滋賀事業所(滋賀県大津市)において年間1000万平方メートルの量産体制を整え、本格供給を開始した。通信機器や家電用途を中心に評価が進んでおり、すでに一部用途で実績が出始めているという。今後は、自動車部品や建築材料などにも用途を広げていく。
このほか、同社が世界で唯一展開するPPSフィルム「トレリナ」やパラ系アラミドフィルム「ミクトロン」の用途開発を本格化していく。トレリナは、耐熱性や耐加水分解性に優れ、携帯電話やコンデンサーなどの電気絶縁用途で採用が拡大している。
さらに、電池セパレーターやハイブリッド・電気自動車用絶縁部品などへのサンプルワークも進めており、用途拡大を目指していく。
一方、ミクトロンは、高剛性や耐熱性、吸湿寸法安定性に優れるという特性を生かし、高密度実装回路基板や高感度センサー用途など工業材料用途への展開に力を注いでおり、早期の本格事業化につなげる。

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