住友金属直江津の高疲労強度ステンレス鋼板「NAR?301L HS1」が自動車向けに採用を拡大している。同材料を使用したシリンダーヘッドガスケットがマツダのアテンザ、ビアンテ、アクセラに相次いで搭載されたもの。HS1は材料の結晶粒径を微細化することでバネ特性と疲労強度を高い次元で両立している。同社では、低燃費軽量エンジンを支える高性能ガスケット素材としてさらなる採用拡大に取り組んでいく。
ヘッドガスケットは、自動車エンジンのシリンダーヘッドとエンジンブロックの間に挟んで使用される金属部品。ビードと呼ばれる山形の加工を施すことにより、エンジンの振動や熱変形に追随して燃焼ガスや冷却水の漏れを防止する。使用する材料には、高いシール性を確保するためのバネ性と長期間のエンジン振動に対応可能な疲労特性が必要。とくに最近のエンジンでは、軽量化にともなうエンジン剛性の低下などから従来以上にバネ特性と長期間のエンジン振動に耐え得る疲労特性が要求されている。
同社の高疲労強度ステンレス・HS1は、ニオブなどの添加元素を用いた独自の成分設計と低温焼鈍の適用など製造条件の見直しにより、結晶粒径を従来の10%程度まで微細化したもの。疲労破壊の起点となるビード加工にともなう肌荒れを防止できるため、従来材に比べて30%以上の疲労強度向上を実現している。
マツダへの採用は本田技研工業に続くもの。同社では、今後もガスケット材および高性能バネ材としてHS1を積極的に展開していく。

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