日本ゼオンは、自動車分野などを対象に、シクロオレフィンポリマー(COP)の新規用途開拓に乗り出す。低比重で耐熱性、耐薬品性に優れる特徴を生かし、自動車部品や医療機器分野での製品開発および用途開発を強化、ガラスなど他素材からの代替を目指す。液晶ディスプレイ(LCD)向けなど主力の光学部材用途に並ぶ新たな柱を育成する。新規用途の開拓に力を注ぐことで、来年度には、水島工場(岡山県倉敷市)の新製造ラインを本格稼働、COP全体の生産能力を年間3万1000トンに引き上げる方針だ。
熱可塑性透明樹脂であるCOP「ゼオノア」は、吸水性がきわめて低く、成形品のソリ、変形がほとんどないうえ、耐熱性、流動性に優れるのが特徴。高透明、低複屈折といった高い光学特性を有していることから、ディスプレイ用導光板や拡散板、光ディスク、レンズに多く用いられている。
新規用途として期待する自動車分野では、光学特性や耐熱性に加え、比重が1・01と他の樹脂に比べて軽いという特徴を生かし製品開発および用途開発を強化する。燃費向上を目的とした軽量化のニーズが高まるなか、サンプルワークを積極的に推し進めており、ヘッドランプやモニターレンズ、センサーレンズといった幅広い用途への採用を働きかけていく。
一方、医療分野では、光学特性や耐熱性、低不純物、耐薬品性に優れる「ゼオネックス」を軸に用途拡大を目指す。すでに、バイアル、シリンジ容器、血液検査セルなどに採用されているが、今後は、薬剤の取り違え防止や業務効率化の動きにあわせ、普及が予想されるプレフィルドシリンジ(薬剤充填済み注射器)での採用拡大を見込んでいる。
同社は、昨年、水島工場に年間1万3000トン規模のゼオノア新設備を導入したが、昨年後半からのLCD関連需要の低迷により、現在、稼働を見合わせている。光学部材に並ぶ新規用途の開拓を急いでおり、来年度には新設備を本格稼働し、ゼオネックスを含めた総生産能力を同3万1000トンに引き上げる方針だ。

コメントする