BASFは29日、自動車向けエンプラ部品の開発支援システム「Ultrasim(ウルトラシム)」を開発したと発表した。独自のCAE(コンピューター設計支援)解析技術を利用したもので、ガラス繊維配向の影響やひずみ速度依存性といった従来のCAEシステムにはない新たな機能を付加することで、エンプラ部品の機械強度や構造挙動を精密に予測できるようにしたのが特徴。同社では、同システムを活用し、衝突負荷に強いエンプラ部品を開発、自動車軽量化に貢献していくことで、金属部品からの切り替え促進につなげる考えだ。
Ultrasimは、ポリアミド樹脂やポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂を対象とした同社専用のデータベースをもとに、各種材料特性の構造解析を組み合わせた自動車部品の設計支援ツール。
樹脂に配合するガラス繊維の配向影響やひずみ速度の依存性、引っ張り・圧縮の非対称性といった従来のCAEシステムにはない高精度の構造挙動を予測できるのが特徴。衝突時における複雑な樹脂破壊も予測できることから、高い応力下で使用される部品や衝突に関連する部品、複雑な形状の部品などの性能シミュレーションが行える。
同社では、新たなプラスチック用途として、トルクロッドやオイルパンを想定している。オイルパンについては、高温オイル侵食5000時間、高温下5000時間といった長期試用期間にわたる挙動を予測できるほか、プラスチック製オイルパンの課題だった飛石の衝突解析などを可能としている。
近年、自動車業界において、軽量化による燃費向上が大きな課題となるなか、金属に代わるプラスチック部品への関心が高まっている。同社によると、1台当たりのポリアミド樹脂平均使用量は欧州が20キログラム、韓国が15キログラムに対して、日本は10キログラム未満という。
同社では、新システムの活用により、衝突負荷に優れながら、最大限に軽量化された部品を開発していくことで、従来難しかった用途にもプラスチック材料の応用範囲を広げていきたい考えだ。

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