住友金属工業など・クラッキングコンロッド材

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 自動車の高性能化を背景に常に進化し続ける自動車部品。使用される材料も部品の特性や加工法に応じた進化が求められる。住友金属工業と住友金属小倉が本田技研工業と共同で開発した「熱間鍛造クラッキングコンロッド用材料」もそうした時代の要請により誕生したもの。ナノレベルの組織制御技術により疲労強度と加工性という相反する特性を高いレベルで両立しつつ鉛フリー化という低環境負荷を実現。コンロッドの高性能化に貢献している。

 コンロッドとは、自動車エンジン内部でピストンとクランクシャフトを連結し、燃焼室内の爆発力を推進力へと転換するための重要部品。ロッドとキャップの2つの部品で構成され、これまで別々に成形した部品を組み合わせていた。クラッキングコンロッドとは、コンロッド全体を一体成形し、ロッド部分とキャップ部分を破断分割(クラッキング)して再度組み合わせたもの。ロッドとキャップの破断面が凹凸になり、しっかりとかみ合い高強度が図れるほか、一体成形により低コスト化といった特徴がある。
 クラッキングコンロッド材料には、理想的な破断面や高い疲労強度と切削性という相反する特性が求められる。開発材料は、チタンとバナジウムのナノサイズの複合析出物を鋼中に形成することで破断面の品質を確保するとともに、炭素添加量の調整により高い疲労強度を達成。同時に切削性向上のために添加していた鉛を硫黄に置換し環境負荷を低減した。
 新材料によるクラッキングコンロッドは従来に比べ30%の疲労強度向上と13%の軽量化、さらには低コスト化を実現している。すでにホンダのシビック、フィットおよびアコードに採用されており、その功績から「第3回ものづくり日本大賞特別賞」を受賞した。

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このページは、web staffが2009年8月24日 20:49に書いたブログ記事です。

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