JFEスチールは、ハイブリッドや電気自動車(EV)を含む次世代車両向けソリューション展開を積極化する。保有する要素技術をベースにした高強度・高剛性・軽量車体構造の提案を通じて、自動車メーカー各社の低燃費化の取り組みに貢献しようというもの。ドアやパネルといったモジュール単位への提案を強化するほか、骨格構造では980メガパスカル?1470メガパスカル高張力鋼板(ハイテン)を材料に曲げ加工を主体とする軽量化手法を提案していく。同社では、一連の取り組みで自動車分野の事業拡大を推進する。
自動車燃費に関する規制動向をみると、1キロメートル当たりのCO2排出量は日本において08年の140グラムから2015年に130グラムへと強化される。欧州でも120グラムの規制値導入が検討されているほか、2020年には95グラムへと強化されるとみられている。こうした規制強化に対応するためには、自動車燃費を2015年に97年比17%、2020年には同19%改善する必要がある。
こうした燃費向上ニーズを背景に、骨格部材に使用されるハイテン材のさらなる高強度化が予想される。同社が提案する曲げ加工を主体とした骨格構造は、高強度化により加工性の低下が避けられない超ハイテン材の使用を前提としたもの。折り紙と同じ要領で980メガパスカル級以上の板材による閉断面構造の加工を可能とする。断面形状の多角形化や信頼性を確保する各種溶接技術と併せて提案することで、軽量化ソリューションとして採用を働きかけていく。
ハイテン用加工技術としては、独自開発したプレスモーション制御を活用した絞り性向上技術「JIM?Form」の実用化にも取り組む方針。同技術は、成形過程において被加工材と金型間の摺動挙動の適正化を図ることで、割れなどの加工欠陥を抑制できるのが特徴。難成形部品への高強度鋼板の採用を可能としており、実用化に向けて自動車メーカーとの共同開発を進めている。
同社では、自動車部材に関するユーザーとの共同研究拠点「カスタマーズ・ソリューション・ラボ(CSL)」(千葉県)に次世代車両向けコーナーを新たに設置し、保有する各種素材や要素技術をはじめモーターに使用する電磁鋼板など関連製品の展示を開始した。新たにモジュールに組み立てたかたちでの提案もはじめており、自動車業界に対して広くPRしていく。

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