東洋鋼鈑のニッケルメッキ鋼板「ニッケルトップ」がハイブリッド車向けに生産を拡大させている。バッテリーに使用されるニッケル水素電池用の負極材用途として需要が増加しているもの。この6月には下松工場(山口県)で能力増強を実施し、従来比2倍の月産10万台に対応できる体制を構築した。同社では現在のハイブリッド車の普及を背景に2013?2014年ころまで現行のニッケル水素電池の需要は拡大するとみており、高品質性を軸に多用途展開も含めたさらなる事業拡大を推進する。
ニッケルトップは、冷延鋼板の母材に高温で酸化しにくくアルカリや薬品に対する耐食性に優れたニッケルの特性を付与したもの。同社では、熱拡散処理によりメッキ層と母材が合金化したK処理タイプとメッキ表面が硬く摩擦係数が低い光沢タイプ、初期の接触抵抗が低く経時により劣化が小さくなる半光沢タイプを用意するとともに、ユーザーニーズに応じて35マイクロメートルまでの板厚に対応した生産体制を構築している。
現在、その特性から販売量の75%を電池のケース用途が占めている。自動車用途では、燃料パイプや給油管のエア抜き(ブリューザーチューブ)やオートバイのマフラーなどの部材として採用されているほか、近年では劣化ガソリンや排ガスなどに対して腐食しにくく、耐熱性、加工性に優れたパイプ用素材としても注目が高まっている。
ニッケル水素電池用の負極材は、用途展開の一つとして事業化したもの。次世代のハイブリッド車ではリチウムイオン2次電池がバッテリーとして有力視されているが、当面の間はニッケル水素電池の需要拡大が続くことが予想される。

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