エンズィンガージャパン(東京都港区、井上洋之助社長)は、新たにビクトレックスSTを用いた切削加工用素材の販売を開始する。発売する「TECAPEEK ST」は、PEEK樹脂に対してガラス転移点を約20度C、熱変形温度を30度C向上させた高耐熱樹脂素材。150度C環境における曲げ強度が80メガパスカルとPEEK樹脂の2倍以上の強度を実現している。同社では自動車をはじめ石油・ガス、電子機器、半導体といった産業分野で耐熱用途を主に用途開拓を進めていく。
同社はエンジニアリングプラスチックスおよびスーパーエンプラの素形材を製造販売する独エンズィンガーの日本法人。各種エンプラを原料とした丸棒や板、チューブを扱っており、切削加工用PEEK素材では世界および日本でトップシェアを有している。
TECAPEEK STは、英ビクトレックスが新開発したポリケトン系の超高耐熱樹脂を用いた切削加工用の素材。ガラス転移点が162度C、熱変形温度が170度Cと優れた耐熱性を有しているのが特徴。150度C環境における曲げ強度もPEEK樹脂製材料のTECAPEEKの38メガパスカルと比較して2倍以上を実現しているほか、曲げ弾性率も室温環境と同程度を保っている。
販売開始に当たり、厚さ20ミリ・幅500ミリ・長さ1メートルの板材と、直径20ミリおよび40ミリの丸棒を用意。また、ユーザーニーズに応じて丸棒で直径200ミリ・長さ3メートル、板材で厚さ100ミリ・長さ2メートルまでの製品供給を可能としている。
同社では、従来のPEEK素材では対応不可能であった高耐熱用途を中心に用途開拓を進めていく考え。また、優れた低吸水性により高い寸法安定性を有していることから、ポリイミドアミドやPBIといったスーパーエンプラの代替用途としても採用を働きかけていく。

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