新日本石油100%出資の新日石プラスト(宍戸淑郎社長)は、ブラジルの石油化学会社ブラスケムが11年にも生産開始するバイオエタノール由来のポリエチレンを、自社の高機能不織布製品の原材料に採用する。近く、ブラスケムおよび、同社のバイオポリエチレンを日本で販売する豊田通商との3社で、供給契約関連の覚書(MOU)を締結する。新日石プラストは、原料にサスティナブル・プロダクトを採用する取り組みを全社の重点戦略の1つに掲げており、バイオポリエチレンのほかポリ乳酸(PLA)や再生ポリプロピレン(PP)などの使用についても準備を進めていく方針だ。
ブラスケムのバイオ・ポリエチレンを原料に採用するのは、新日石プラスト独自の高機能不織布「ワリフ」。ワリフは、延伸強化したポリオレフィンの割繊維を縦、横に連続的に積層・熱融着し、メッシュ構造とした機能性不織布。極めて軽量で強度が高く、フィルムのような定型性があること、さらに他素材との複合や加工が容易であるなどの特徴から、食品包材、建築資材、乾燥剤包材、農産物包材、産業用包材、自動車部品などの多様な分野に需要を持つ。
このうち、「とくに欧州で販売している食品包材(プロデュースバッグ)や、自動車向けなどの工業用分野で原料にサスティナブル・プロダクトを使用するニーズが高まっている」(宍戸社長)という。
ワリフの生産は、新日石プラスト芝山工場(千葉県)と兄弟会社である米ANCI社(ジョージア州アトランタ)で行っており、川下の加工製品を含めた年間の販売量は約7000トン。「販売量全体の4分の1から3分の1について、原料をバイオ・ポリエチレンに置き換えていきたい」(同)としている。
ブラスケムは、サトウキビから作ったバイオエタノールを原料とするバイオ・ポリエチレンを11年初頭から商業生産する計画。ブラジル南リオグランデ州にある同社の石化コンビナートにおいて、既存の高密度ポリエチレン/直鎖状低密度ポリエチレン年産20万トンプラントを改良して生産体制を整える。日本では豊田通商が年間5万トンを輸入販売する。
新日石プラストはまた、ポリ乳酸(PLA)やポリブチレンサクシネート(PBS)系樹脂など、植物由来の生分解性樹脂をワリフなど高機能不織布製品に採用する製品開発を推進中で、すでに採用に向け一定のメドを得ている。さらに、ポリプロピレン(PP)を主原料とするシートパレットについては、原料に再生PPを使用する開発も進めており、サスティナブル・プロダクト採用を積極的に推進していく考え。

コメントする