機能部品メーカーのジェイテクトは、ターボチャージャー用にセラミック玉軸受けを再提案する。自動車エンジンの高効率化ニーズの高まりを背景としたターボチャージャーの普及拡大に対応して、摩擦損失低減による燃費向上などを軸に採用を働きかけていくもの。同製品は、一般的な鋼玉製軸受けに比べて高価だが、ターボチャージャーの性能向上はもとより給油量の削減や長寿命化が可能。その特性からホンダ自動車のターボエンジンに採用された実績を有する。同社では、特性面のメリットを積極的にPRすることで新モデルでの採用を目指す。
ターボチャージャーは、排出ガスの圧力を利用して吸気圧力を高める装置。エンジン出力が向上できるためCO2削減などを目的にディーゼル車はもとより、近年では燃費向上ニーズを背景にガソリン車でも採用が拡大傾向にある。一般的に軸受けにはボールベアリングが使われており、高温の排気により軸受けが加熱されるため、高性能または専用のオイルを使用したり交換周期を短くするなどのメンテナンスを必要とする。
ジェイテクトのターボチャージャー用セラミック玉軸受けは、窒化ケイ素製ボールをベアリングボールとして採用したもの。従来の軸受けに対して焼き付けを起こしにくく給油量を80%削減可能とするほか、加速応答性の20%向上によってターボラグを解消できるといった特徴を持つ。また、鋼玉軸受けに対して汚れ油中において3倍以上の長寿命化を実現しており、ターボチャージャーの高性能化に大きく寄与する。
同製品は、98年に発売されたホンダ自動車の軽乗用車「Z」に採用された実績を持つ。その特性からターボチャージャーの加速応答性の向上と低フリクション化を可能とし、低速から力強い加速を実現するターボエンジンの主要部品として使われていた。しかし、製品コストが課題となり、その後は広く普及するまでには至っていない。
今回の景気後退局面では、各国とも環境性能を基準とした自動車取得に関する税制面の優遇処置を実施しているほか、今後も環境規制は強化される方向にある。各自動車メーカーではさらなる低燃費化に取り組んでおり、同社ではこうした状況を背景に採用実績を有するセラミック玉軸受けの売り込みを図っていく。

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