三ツ星ベルトは、輸送機器用伝動ベルトの高機能化を推進する。新たに大型2輪車向けに開発したゴム製の後輪駆動タイミングベルトが、ヤマハのV Star(排気量950cc)に採用された。同製品は、従来のチェーンに比べて3倍以上の長寿命化と優れた静音性を実現しているほか、注油が不要となるなどメンテナンスが容易なのが特徴。同用途向けゴムベルトは世界初。同社では、樹脂部品とゴムベルトの複合製品(ナロマジロ)についても今下期から量産化に乗り出す計画で、差別化強化により成長性を確保していく。
三ツ星ベルトは工業用ベルト製品の大手メーカー。伝動ベルト事業では、主力の自動車用をはじめ産業機械や精密機械からOA・家電向けまで幅広く展開している。
2輪車では変速機用のゴムベルトとして400ccの大型バイクに採用されるなど実績を持つ。昨年10月には樹脂部品とゴムベルトを組み合わせた無段変速機用の製品を開発。同製品は、高弾性な耐熱樹脂により高い動力伝達性能を実現するとともに、柔軟な耐熱ゴムとの組み合わせにより無段変速機のコンパクト化を可能としており、この下期から年間数万本規模で事業化する計画だ。
これまで、オートバイの後輪駆動機構にはチェーンが採用されてきた。サスペンションの上下動によって車体側の駆動軸と後輪中心軸の軸距離が変化するため、この距離変動を吸収するのに都合が良いためだ。しかし、近年では静粛性や使い勝手の向上を目的に、ゴムや樹脂を用いた製品の開発が進められており、すでに大型2輪車の後輪駆動用タイミングベルトでもウレタン樹脂を用いた製品が実用化されている。
新製品は差別化戦略の一環として開発に取り組んできたもので、ゴムをベースに先行するウレタン製と同等の性能を実現しているのが特徴。正式採用を受けて08年10月から量産を開始、12月には北米市場で同製品を搭載した大型2輪車が発売されている。今回の採用を契機に他車種および他メーカーへの売り込みを積極化する考えで、大型2輪市場におけるシェア拡大を目指す。

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