住友金属工業は、自動車分野のグループ連携を強化する。12年をめどに欧州で導入が検討されている新燃費基準などを視野に、国内自動車メーカーに対して保有する素材・技術の提案強化を推進するもの。今月からグループの研究開発および提案活動をプロモートする新組織を設置し、車両骨格用途を中心に取り組みに着手した。同社では、取り組み範囲を拡大させつつ年内をめどに具体的成果に繋げていく方針。
住友金属では、自動車関連事業をエネルギー関連事業とともに成長分野と位置付けて積極的な事業展開を推進中。00年以降、売上高構成比に占める自動車関連分野の割合を拡大させており、国内における薄板販売の自動車向け比率も従来の40%から60%へと伸長している。
今回の取り組みは、欧州委員会で12年にCO2排出量平均値120グラム/キロメートルを実現するための規制の検討が進められていることなどを念頭に、今後の規制強化への対応を目的に開始したもの。業界データでは07年実績で159グラム/キロメートルとなっており、国内自動車メーカーにおける低燃費技術のニーズは高まっている。12年モデルに各種技術を採用するためにはこの1?2年でめどをつける必要があり、こうした顧客ニーズに対する提案力強化を推進する。
今月1日に本社組織として新設された自動車技術部には、カスタマーアプリケーションセンター「SMICAT」の機能と鋼板・建材カンパニー薄板技術プロジェクト部の自動車技術に関する企画機能を集約。まずは車体骨格に関するロードマップを作成し、住友鋼管の鋼管技術や住友軽金属のアルミ技術といったグループの各種シーズの有機的な結合を推進する。すでに複数の開発テーマを用意しており、ユーザー提案までを同技術部でコーディネートしていく考えだ。
足元の需要環境は厳しいものの中長期的な拡大が確実な自動車産業。同社では、高度化する自動車メーカーのニーズを他社との差別化の機会と捉える一方、車体軽量化は素材使用量の減少との認識のもとで独自性を追求していく。

コメントする