信越化学工業は、自動車のワイヤーハーネスのコネクター向けにLIMS(液状シリコーン射出成形システム)用の液状シリコーンゴム材料の提案を強化する。材料に含まれる低分子シロキサンが大幅に除去されているため、乾燥機による2次キュアが不要。金型汚染も改善されるので金型のクリーニング回数も減らせる。すでに従来品からの置き換えが進んでいるが、生産性向上やトータルコスト削減を実現する材料として採用拡大を目指す。環境負荷低減にもつながるため、今後計画される新工場にも積極展開したい考えだ。
LIMSは、射出成形機により液状シリコーンゴムを付加反応で硬化させ、高品質の成形品を効率良く得るシステム。混練りや加硫処理などが必要なミラブルゴムに比べ成形時間を短縮することができ、低圧射出やノーバリ・ランナーレス成形にも対応する。成形工程が自動化でき、硬化反応に副生物がないので廃材処理の手間も省ける。ワイヤーハーネスなど自動車部品においても導入が進展している。
ただシリコーンゴム成形品には電気接点障害の要因となる低分子シロキサンが残存しているため、電気部品で使用するには低分子シロキサンを除去する必要がある。通常は乾燥機を用いて2次キュアを行い除去するが、同工程が生産性向上やトータルコスト削減のネックとなっていた。このため信越化学は、低分子シロキサンを削減したLIMS向け液状シリコーンゴムを開発し、市場提案を行ってきた。
同材料は、ミラブルゴムをポストキュア(200度C/4時間)したレベルにまで低分子シロキサンが削減されている。2次キュアを行わずに成形品を次工程に回すことができるため、トータル工程時間の短縮やユーティリティコストの削減が図れる。また、成形時の収縮率の振れが少ないので成形品の高品質化が図れ、金型のクリーニング回数も削減可能。
すでに従来のLIMS材料からの切り替えが始まっているが、自動車産業ではコスト削減ニーズ、低環境負荷ニーズが急速に高まっていることから、これに応える材料として市場拡大を積極化する。今後、海外で検討・計画される新工場なども重点ターゲットに据える。高強度タイプ、オイルブリードタイプ、自己接着タイプなどを揃えている。

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