富士フイルムは、ABS樹脂並みの機械特性を持ち、50%以上の植物度を持つ新規バイオマスプラスチックを開発した。耐湿熱性が良く、折り曲げ白化しにくいことも特徴。原料など詳細は明らかにしていないが、反応技術などを最適化することでPLA(ポリ乳酸)など従来素材を凌駕する特性を実現した。成形性も高い。各種成形材料、電気・電子機器や車両などの内外装部材をターゲットに、サンプル供給を開始する。PC(ポリカーボネート)樹脂並みの物性を目指し、さらなる改良も加えていく。
バイオマスプラスチックは環境配慮型素材として注目を集め、採用機運も高まっている。ただ石油由来のプラスチックに比べ耐熱性や耐衝撃性、耐加水分解性、成形性など諸物性に劣るため、使用用途が限られているのが現状。このため石化原料と複合化した素材も多く開発されているが、物性を満足させようとすると製品中の植物由来成分の含有量(植物度)が減り、バイオマス素材本来の特徴が損なわれてしまう。
富士フイルムは反応条件や材料設計を最適化することで、機械特性と植物度を両立した新規バイオマスプラスチックを開発した。50%以上の植物度を維持しながらABS樹脂並みのシャルピー衝撃強度、曲げ弾性率を持つ。耐湿熱性にも優れており、PLAが湿熱環境下(65度C・湿度95%)で100時間経過すると50%以上分解してしまうのに対し、新素材は500時間たってもほとんど変化がない。耐熱性は約100度C。折り曲げ白化への耐性も持つ。
現在ラボベースの段階だが、近くサンプル供給を開始し用途開発に着手する。流動性や成形性が高く石化由来プラスチックと同条件で成形加工できるため、射出、押出、ブローなど各種成形材料として提案する。パソコンやデジカメ、家電などの筐体や部品、車両や建材の内外装部材も狙う。植物度を維持しながら機械特性をPC樹脂並みに引き上げることや、難燃性の改善にも取り組む。

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