出光興産は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂の熱伝導グレードで、自動車用のポジションランプとして需要拡大が見込まれる発光ダイオード(LED)ランプ向けの展開を強化する。熱硬化性樹脂など従来の素材に比べ、LED端子の温度を約10度C引き下げるため、寿命を2倍に延ばすことができる。すでに、アフターマーケット用のLEDポジションランプ向けとして08年から採用されているが、さらに純正品としての採用を目指し、自動車メーカーなどへの提案を推進していく。
自動車用ランプはこれまでの白熱灯などから、消費電力が低く低燃費化に貢献するLEDランプの需要拡大が見込まれている。また、自動車の安全性向上の観点から、日中を含め常時ランプを点灯する規制がグローバルに進み、LED製のポジションランプの採用が増えると予想されている。
ただ、LEDランプは高輝度化すると発熱量が増え、寿命が短くなる問題があった。このため、いかに発熱量を抑えて寿命を延ばすかがランプメーカーの製品開発のポイントとなっている。
出光興産が開発したPPS樹脂の熱伝導グレードは、もともと熱伝導率の高いPPS樹脂に、さらに熱伝導率を高めるフィラーを充填したもの。フィラーの粒子系を精密に制御することで、高い強度や易成形性などの特徴を兼ね備えている。
同グレードをLEDランプに採用することで、LEDの端子の温度を約10度C低減することに成功しており、08年には自動車用品大手のカーメイトがアフターマーケット用のLEDポジションランプ部材として出光興産のPPSを採用している。
出光興産はさらに、同樹脂がリサイクル可能な環境にやさしい樹脂である点などもアピールしながら、純正部品向けでの採用を目指し需要家への提案を加速していく考えだ。

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