住友ベークライトは、自動車用フェノール樹脂の新製品開発・市場投入を推進する。ターゲットは環境負荷低減への寄与。このほどアイドリングストップ機構を持つスターターモーターのコンミテーター(整流子)向けに、耐久性を2倍近くまで高めた成形材料を開発した。また燃料ポンプ部品のバイオ燃料対応やブレーキパッド用バッキングプレートの樹脂化など、金属代替用途の拡充にも取り組む。エコカーへの対応力を高めることで採用拡大を図る考えで、樹脂製品のケミカルリサイクル技術の早期実用化も目指す。
フェノール樹脂事業にとって、自動車分野は大きな柱。プーリーやコンミテーター、ブレーキピストン、ウオーターポンプカバーなど30年以上の実績を有しており、ここ数年、積極的な事業展開を進めてきた。自動車産業の失速を受け欧米拠点の生産集約など構造改革を行う方針を固めたが、金属代替など環境負荷低減ニーズに対応した高機能材料の開発を一層強化することで再成長の基盤を築く。
この一環として投入したのがコンミテーター用の高耐久成形材料。強度や耐熱性などが求められるため従来からフェノール樹脂が使われていたが、スターターモーターへのアイドリングストップ機構搭載を背景に一層高レベルの耐久性が必要となったため開発した。ハンダ処理後の回転破壊強度を既存材料の倍近く高めており、欧州市場で近く採用が始まる見通し。
またプーリーやポンプ部品、ブレーキピストンで高い実績を持つ金属代替用途の拡充も進める。バイオ燃料に対応した燃料ポンプモーター用材料の開発に着手したほか、バッキングプレートの樹脂化も5?6年後をめどに実現する。炭素繊維強化グレードなどの新材料を使い、ジョイントなど構造部品の樹脂化も目指す。エンプラとの競合も予想されるが、クリープ特性などで優位性があるとみている。
また自動車分野ではリサイクルが必須になるため、超臨界流体を用いた樹脂製品のケミカルリサイクル技術の実用化も進める。生産工程で発生する端材を使った実証試験でバージン材料と同等の物性が得られることを確認しており、フィラーを再利用することも可能。成形材料の高機能化とともにリサイクル技術も確立し、自動車メーカーのニーズにきめ細かく対応し採用拡大につなげる。

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