住友ベークライトは、炭素繊維強化フェノール樹脂成形材料「VYNTEC」の用途開拓を強化する。とくに自動車用途をターゲットとしており、トランスミッションやブレーキ部品などで使用されているポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂の代替を目指す。鉄やアルミに比べ軽量で、かつPEEK樹脂を上回る耐摩耗性、高温環境下での機械強度を生かす。PEEK樹脂の採用が先行する欧州市場に加え、国内での用途提案も強化していく。
VYNTECは比重が鉄の約5分の1の1・6と軽量で、かつ耐摩耗性や高温時の機械的強度に優れる高機能成形材料。マトリックス樹脂がフェノール樹脂のため耐熱性や耐薬品性も高い。強化材となる炭素繊維の表面処理技術などを駆使することで、高い物性を実現した。耐熱性や高い摺動性が求められるオイルシールシング部品やギア・ベアリングなどに適している。
同社は優れた特性を武器に自動車用途の開拓を推進する。ターゲットはシールリングをはじめスラストワッシャー、スロットルボディーギア、ベアリングなどで活用されているPEEK樹脂の代替。比重は炭素繊維強化PEEK樹脂の方が若干軽いが、耐摩耗性の良さと機械強度の温度依存性の低さを生かす。200度Cの高温環境下においてPEEK樹脂の曲げ強度が100メガパスカル以下に低下するのに対し、200メガパスカル近い強度を維持できる。
PEEK樹脂の採用は欧州市場が中心だが、近年は日本の自動車メーカーの採用機運も高まっている。PEEK樹脂は熱可塑性樹脂のため成形加工性などで利点を持つが、同社は使用温度や負荷の高い用途では熱硬化性樹脂に圧倒的な優位性があるとみており、欧州をはじめグローバルな用途開拓を進めていく。またPEEK樹脂に加え、ポリイミド(PI)樹脂の代替も目指していく。

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