SABICイノベーティブプラスチックスが自動車用樹脂部材の採用を拡大させている。米フォード社初となるクロスオーバータイプの新型車「クーガ」に、ノリルGTX樹脂製フロントフェンダーとXenoy樹脂製の歩行者保護用衝撃吸収体が採用されたもの。いずれも量産車での採用はフォード初。フロントフェンダーではスチールに比べて2・0キログラムの軽量化を実現している。同社では、保有する軽量化ソリューションを軸に自動車分野における用途展開を推進する。
ノリルGTX樹脂は、ポリアミド(PA)および変性ポリフェニレンエーテル(PPE)のアロイにより、PPEの寸法安定性・低吸水性・耐熱性とPAの耐薬品性・流動性を併せ持つのが特徴。通常のオンライン塗装工程に対応可能なうえ、優れた導電性により塗着効率の向上や導電プライマーの塗工コスト削減ができる。また、熱可塑性樹脂の使用によりプレス成形のスチールに比べてデザインの選択肢が広がるといった利点も有する。
フェンダーに適用した場合、スチール製に対して約50%軽量化できるほか、腐食に強く、小さなへこみやダメージへの強度に優れているといった点からすでに1200万台以上に搭載されている。今回の新型モデルでは、ノリルGTX樹脂製フェンダーの採用で軽量化とパワフルな存在感とスポーティーなスタイルを実現している。
一方、Xenoy樹脂はポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリエチレンテレフタレート(PET)などの半結晶性ポリエステルとポリカーボネート(PC)の複合樹脂。耐薬品性や低温での高い耐衝撃度、高耐熱性、優れた意匠性と流動性が特徴。コンセプトカーから量産車にいたるまで採用が進んでおり、今回は歩行者保護用衝撃吸収体として採用された。
このほか「クーガ」では、グループのSABICペトロケミカルが展開するガラス長繊維強化ポリプロピレン材もテールゲートのインナーパネルとして採用されている。

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