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中国農薬市場 粗悪品追放に期待 安定供給体制整う
中国の農薬市場の"浄化"への期待が高まっている。国有化学企業グループ・中国化工集団(ケムチャイナ)が、世界最大の農薬メーカーであるシンジェンタと、ジェネリックの最大手アダマを傘下に収めたことで、地場企業に頼らない供給体制が整ったためだ。これまでは、食料生産に打撃を与えてしまうとの懸念から、違法業者の取り締まりが徹底せず、粗悪品や模倣品の流通が後を絶たずにいた。食の安全確保やや環境保全への要請から、日本の高品質な農薬に対する潜在需要は高い。市場の健全化すれば、日系企業の中国進出は一気に加速することになる。
中国の農薬市場はブラジル、米国に次ぐ世界第3位。日系の農薬企業は、1980年代初期から、自社発明の農薬を販売しているが、93年以前には特許が認められていなかっこともあって模倣品の流通に苦しめられた。その後知的財産に関する法整備が進み、事態は改善しているものの、いまだ慎重な姿勢を崩していない企業が多い。
こうしたなかケムチャイナは、2011年にイスラエルを本拠とする世界最大のジェネリック農薬メーカー・アダマの株式60%を取得。今年に入り、国内で直接販売を開始した。傘下にある地場農薬メーカーの製品をすべて取り扱い、国内農薬流通の2割近くを押さえた。年末には製剤工場を稼働させる計画。さらに今年は、世界最大の農薬メーカーであるシンジェンタを買収している。
中国で農薬使用の健全化に時間がかかっている要因の一つに、「違法業者の摘発を徹底すると農薬の流通が滞り、食料生産に悪影響を与えかねない」との取り締まり当局の懸念が挙げられていた。国営企業によるアダマとシンジェンタの買収によって、中央政府は、充実した供給体制を制御下に持つことになり、今後、市場の浄化に拍車がかかると期待される。
このほど中国唯一の農薬生産者連合組織である中国農薬工業協会(CCPIA)は、20年までに農薬原薬企業数を3割削減するなど企業数の集約・大規模化を推し進めるとの方針を打ち出した。また3―5カ所に農薬専門の工業団地を設け、関連企業の80%を集約させる計画。中国の偽造品は海外への流出しており、国際的な問題となっている。中国の農薬市場の健全化は、世界の食料安全の向上にもつながってくる。