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2016年04月26日 前へ 前へ次へ 次へ

ゼリア新薬 スペシャリティ重視で成長 海外展開さらに

<伊部 充弘 社長兼COOに聞く>

 ゼリア新薬工業は、2009年に買収したスイス製薬会社が開発した潰瘍性大腸炎(UC)治療剤「アサコール」を軸に、飛躍的に業績を伸ばしてきた。同社売上高の約3割を稼ぎ、経口メサラジン製剤で国内トップシェアを獲得したアサコールだが、日本でも特許切れを迎えて他社のジェネリック医薬品(後発薬)が出始めた。伊部充弘社長兼最高執行責任者(COO)に、パテントクリフを迎える今後の戦略を聞いた。

 ▽ 薬価改定の影響は。

 「4月の改定では当社製品の平均で9%台の引き下げだった。アサコールは14%引き下げ。機能性ディスペプシア(FD)治療剤『アコファイド』など、新薬創出・適応外薬解消等促進加算が適用されている新薬を中心に売り上げを伸ばしたい」

 ▽ アサコールは後発薬が出てきました。今後の消化器分野の戦略は。

 「アサコールは、現在の1日3回投与から同1回に減らせる製剤の臨床開発を進めている。今年度中には承認申請したい。海外では新しい製剤技術を応用したメサラジン製剤も開発中だ。消化器分野では、英アストラゼネカ(AZ)から取得したクローン病(CD)・UC治療剤『ゼンタコート(予定販売名)』(一般名・ブデソニド)もある。CD、UC両方をカバーする品揃えを生かして、薬価引き下げの影響を吸収したい」

 「アコファイドはFDの適応症で承認されている唯一の医薬品だが、ポテンシャルをまだ発揮できていない。ようやく市場浸透を加速するベースができたので、これから伸びると期待している」

 ▽ ほかに今後期待する新薬候補は。

 「エーザイから導入した第2相臨床試験(P2試験)段階のプロトンポンプ阻害剤『Z―215』は市場規模が大きく、将来の主力品候補だ。消化器分野での当社のプレゼンスがさらに高まる。鉄欠乏性貧血治療剤としてP3試験を始めた『Z―213』は、医薬品の副作用でとくに多い症状が治療対象だ。日本の推定患者数は約1800万人とされるが、この分野の治療薬は1955年に承認されたものがあるだけで、新薬のニーズは高い。がん分野では、免疫療法に分類される医薬品として子宮頸がん治療剤『Z―100』をアジアでP3試験中だ。重篤な副作用が少ない治療選択肢として位置づけている」

 ▽ コンシューマー・ヘルスケア(CHC)事業では「ヘパリーゼ」シリーズが好調です。次にナショナルブランド化させる製品は。

 「コンドロイチン、ヘパリーゼの大型化を達成し、これに続くナショナルブランド品の候補を検討しているところ。西洋ハーブを用いたシリーズや、ダイレクト/スイッチOTC(一般用医薬品)などを視野に考えたい。他社にはない独創的なラインアップを展開できるものを選びたい」

 ▽ 海外事業の拡大に力を入れています。

「まずは子会社化したベトナムのF.T.ファーマの既存事業を成長させ、現地でしっかり浸透させる。そのうえでゼリア新薬工業のCHC関連製品やイオナの化粧品、OTC、医療用医薬品と展開していきたい。アジアで初めての自社拠点として色々学びながら2、3カ所目の拠点を検討したい」

 ▽ 医薬品市場でどのようなポジションをめざしますか。

 「新薬、CHCの両輪経営を継続したい。どちらかに絞るべきという考え方もあるかもしれないが、新薬が厳しい時はCHCでカバーし、逆の場合も同じ。このバランスを強みにして当社は成長してきた。私も、これを踏襲していきたい。消化器分野のスペシャリティファーマとして、この分野で独創性を発揮していきたい」

(聞き手=赤羽環希)
 


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