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2016年04月22日 前へ 前へ次へ 次へ

会社文化を発信する広報部長の力量

 デュポンという会社はある意味、記者泣かせのところがある。設備投資のニュースで生産能力を明らかにしなくなったのは恐らく同社が化学企業では初めてではないかと思う。現有能力と投資後の能力を書かねば記事にならない。読者にどれくらいの規模の増設なのか、生産能力なしに書くのに苦労した▼何度か本社の会見にも呼ばれたが、会見の胆が分からずしんどい思いもした。サイエンスカンパニーを打ち出してから、わかりにくさは一段と増した。同社では当たり前となっているコアバリューも、腹落ちするには長期間かかった▼そんなデュポンという会社との距離を縮めてくれた人がいる。広報部長の持田伊佐人さんだ。欧州の自動車会社の広報を勤めた外資系経験のある同氏にも、社員として接するデュポンの文化は驚きの連続だったようだ。その驚きが、デュポンを発信する原動力だったのだろう。他誌のことだが、2年がかりで十数ページに及ぶ特集号の掲載に至った粘りには恐れ入った▼昨夏には、同じ役員に別のテーマで短期間に2回会い、最後は社長の取材で同社のバイオ事業戦略がどういうものなのか、記事として書けるレベルに理解を深めることができた。今月一杯をもって退社する。まだ脂の乗った50代。化学業界から出て行って欲しくない人材だ。


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