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2016年04月22日 前へ 前へ次へ 次へ

【人と話題】 新日鉄住金化学 徳光 明 参与

 高機能フレキシブルプリント基板(FPC)に欠かせない無接着剤型銅張積層板(2層CCL)。世界に先駆けて開発し、現在でも約30%のトップシェアを維持する新日鉄住金化学の「エスパネックス」が業界標準ともなっている。

 この2層CCLおよび高生産性プロセスの開発に関する業績が認められ、2015年度の「大河内記念生産特賞」を受賞した。「長年、この分野のパイオニアとして取り組んできたことが認められ、光栄に思う」と、2層CCLの開発で中心的な役割を果たした同社参与の徳光明氏は話す。

 1983年に入社した新日本製鉄化学工業(現新日鉄住金化学)は当時、それまでの素材中心から機能材料への展開を探っていた。北九州市に設けられた複数の機能性高分子材料の研究グループの1つに配属され、これが徳光氏が2層CCLと関わるきっかけとなった。

 85年に開発に着手し、88年に千葉・木更津にパイロットプラントを設置。89年にキャスト(塗工)法により低熱膨張ポリイミドを銅箔上に直接形成する2層CCLを完成させ、エスパネックスの名称で販売を開始。90年には2層CCLと銅箔との高温連続ラミネートによる両面品も開発し、ノートパソコンやデジタルカメラ、高機能カラー携帯電話の普及に貢献した。速硬化型ポリイミドの開発と連続乾燥・硬化プロセスの確立が生産性の大幅向上に寄与している。

 だが、最初から業績に貢献できたわけではない。本格的に伸びたのは2000年以降で、高機能携帯電話やスマートフォンの需要とともに一気に販売が拡大した。「市場が本格的に立ち上がる前から、顧客のプロセス適合性などの要求に基づく材料設計・生産技術・品質管理のノウハウといった、ものづくりの技術を蓄積できたことが大きかった。日本のFPCメーカーと銅泊メーカーの技術力も優れており、この中でエスパネックスも大きく育つことができた」。

 当初、6人ほどだった2層CCL開発チームが、いまや会社に大きく貢献する製品をつくり上げた。
「研究開発段階から長い時間がかかったが、よく会社として認めてくれたと思う」。今回の受賞に際しても「飽くなき挑戦が道を拓く」との言葉が自然と出てくる。

 電子材料研究所長、新事業企画部長、有機ディスプレイ材料センター長、機能材料研究所基盤技術センター長などを歴任。直接・間接に2層CCLと関わってきた。?年から知的財産部長に。

 「スマホの台頭と機能進化により電機業界は構造変化の波に晒されているが、FPC業界ではいぜん日本メーカーが強く世界市場で存在感を示している」。これを背景にエスパネックスも、高周波対応の低誘電率樹脂の開発など先端ニーズへの飽くなき挑戦は続く。

 音楽が好きで、大学時代はマンドリンオーケストラに所属。今も夫婦でクラシックやオペラコンサートへ足を運ぶ。


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