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モノづくり デジタル化の奔流 《3》 ロボ革新呼び込む
自動車やエレクトロニクスばかりではなく、化学や製薬などのプロセス産業でもAI(人工知能)や深層学習(ディープラーニング)技術の導入機運は高まっている。単なるコストダウンのためではなく、品質や安全性向上に欠かせない存在になりつつある。熟練工不足や人件費高騰が顕著な中国の工場へのロボット導入も急速に進む見通しだ。産官学が画期的な機能を実現する次世代ロボットの開発を進めており「人機一体」の生産ラインが実現しようとしている。
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創薬事業の効率化をAI活用によって図るのが第一三共。米IBMのAIシステム「ワトソン」を使って「匠の技術、勘をAIに集約することで最終的に創薬サイクルを短期化し、かつ成功確率を高めたい」(赤羽浩一執行役員)と指針を語る。
東芝メディカルシステムズの買収合戦で注目された富士フイルムは、ヘルスケア事業へのAI導入に意欲を燃やす。「まずは多能性幹細胞(iPS細胞)の培養にAIを生かしたい。人手では生産性に限界がある」(中嶋成博社長)と話す。さらに「熟練技術者の暗黙知を形式知にしてロボットに学習させないとインダストリーにならない」と一歩進んだロボット化の必要性を説く。
得意とするファインケミカルとロボット技術とを組み合わせることで、業界標準の実現も視野にある。「当社にはロボット工学の技術はないので、今後M&Aに発展する可能性はある。時間かけていてはだめ。間に合わない」と、戦略を練っているところだ。
滅菌環境内での作業が多いヘルスケア分野では、ロボット化のニーズが高い。デンソーの子会社が銀メッキでバクテリアの繁殖を抑えた医療向けロボットを供給するなど、サプライヤーは増えている。
ロボット化には日立化成も前向きだ。高いシェアを持つプリント配線板用フィルムレジスト工場はすでに自動化が進んでいるが、梱包工程まで含めるとまだロボット化の余地がある。粉末冶金においては生産性と品質の安定性の両面からロボット化を図る。このために「現場の職務転換をする。若手はすでに実習に入っている」(田中一行社長)。
このほか組み立て系では、富士電機が生産性と安全性を目指してロボット化に力を注いでいる。同社は自動販売機の大手だが、極薄金属板の加工工程ではパート従業員がケガをする場合もあった。そこでロボット化するだけではなく、生産拠点も集約して効率を高めた。経済の停滞感がある中国だが、人件費の高騰にともなって自販機の需要は急増しているという。
同社がロボット化を進める背景には「ロボットが非常に安くなったうえに精度が向上。かつては高価で使いたくても導入できなかった」(同社幹部)ことがある。「異形部品も、そのままロボットで掴むことができる」と満足気だ。
形がばらばらの部品を、ばら積みしていてもロボットアームが適切に掴めるのは深層学習の効果。最初に部品の画像データを学習させておけば、ロボット自らが試行錯誤を繰り返し、「8時間後には80%くらいの確率で掴めるようになる」(プリファードネットワークス)という。
米IBMは、人の脳を真似た演算手法を用い、システム自らが学習していく仕組みを半導体「ニューロ・シナプス・チップ」で実現しようとしている。ロボットの機能向上などに用途を考えているが、同時に各種センサーからの膨大なデータを効率良く処理するため、半導体チップの高密度実装技術の開発も進めている。この実装技術の一環となるのが日本IBM、JSR、千住金属工業が共同開発したハンダバンプ形成技術である。
このようにロボットの高機能化技術は続々と生まれている。「世界の命運を担う唯一の拠点」と大上段に構えて次世代ロボット研究機構を発足した早稲田大学では、介護支援や原発の廃炉作業用ロボット、読唇ロボット、それに深層学習を使って人と協調できるロボットなど、多様な取り組みを始めている。少子高齢化の日本、あらゆるところにロボットが入り込んでいきそうだ。
(次回は28日付)