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2016年02月23日 前へ 前へ次へ 次へ

<eco 異業種にまなぶ> NEXCO東日本 IC・SAもっと省エネ

 ▲ 両面受光の太陽光発電はAGC硝子建材と組んで開発した。

 CO2を減らすために高速道路はどんなことをしているのか。東日本高速道路(NEXCO東日本)は、環境への取り組みを経営の中核に据えている。探ってみると、遮熱塗料、保水性ブロック、両面受光の太陽光発電、刈草を燃料とするバイオガス発電、遮音壁など興味深い姿が見えてきた。CO2を減らすには投資が必要だが、利用者から高速料金を徴収する事業モデルのなかで過剰なコストはかけられない。数々の素材を使いながら柔軟な発想に基づく「環境マップ」を取材した。

 ecoインターやecoエリア―。省エネ設備や環境技術を積極的に取り入れるインターチェンジ(IC)をはじめ、サービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)のことだ。普段、何気なく利用している場所も、注意してみると低炭素社会への配慮が随所にある。

 標識や道路情報板の発光ダイオード(LED)化、料金所ゲートや駐車場の照明は発光効率の高いセラミックメタルハライドランプへの交換に順次取りかかる。

 ほかにも、休憩施設の屋根は遮熱塗料を塗って夏の暑い日差しを反射。室内温度の上昇を防ぎ、冷房のエネルギー抑制につなげている。歩道には保水性ブロックを採用し、蓄えた雨水が蒸発の際に周囲の熱を奪う「打ち水効果」でヒートアイランド対策にも力を発揮する。

 6年ほど前から推進する姿勢を鮮明にした結果、2015年3月時点でecoインターは28カ所、ecoエリアは14カ所に広がった。今後も計画的に整備を進めていく。

 将来を見据えた新たな挑戦も始まっている。例えば、再生可能エネルギーを使った自家発電設備の研究。旭硝子子会社のAGC硝子建材と組み、両面受光の太陽光パネルを活用して効率良く発電できるシステムを開発した。

 道路という限られた空間のなかで「高速道路にあるものをうまく利用して発電できないかと考えた」。建設・技術本部環境課の佐藤亜樹男課長代理は、開発時の議論をこう振り返る。そこで、道路沿いに建てられている遮音壁に発電機能を備える技術の確立を目指した。

 表裏両面で発電が可能な太陽電池をガラスで挟み、両面から光を多く取り込めるように設計。集光板も組み合わせて反射する光の量を増やし、発電出力は表面で7.5キロワット、裏面で5.5キロワットとした。どちらの面でも光を受けることができるため、設置は太陽の向きを気にせずにすむ。

 第1弾として、館山自動車道の市原SA前のスペースで稼働を始めた。発電した電気をSAに届ける仕組みを構築し、照明に必要な電力の一部を賄う。

 地球温暖化対策の新たな国際枠組みを定めた「パリ協定」が15年末に採択され、再生可能エネルギー活用の機運は一層高まっている。ただ従来のシステムに比べ「コストが約2―4倍高い」と佐藤課長代理は話す。革新的な技術も採算が合いやすくなれば、一気に広がる可能性は十分にある。

 太陽光発電と並行してバイオガス発電の実証試験も進む。東北自動車道の那須高原SAに隣接するプラントでは、植物廃材からガスを取り出して効率的な発電につなげるための試行錯誤が続く。

 間伐や剪定、草刈りといった緑化の維持管理で出る大量の植物廃材は従来、堆肥やチップとしてリサイクルされ、盛り土の人工斜面(のり面)の基盤材などに使われてきた。実証試験は、のり面への応用にとどまらない新たな利用法を探るのが狙いだ。

 植物廃材を熱分解炉で加熱(蒸し焼き)してガスを発生させ、これをディーゼルエンジンに供給して発電する。燃焼ではなく加熱で処理するため、CO2はほとんど出ない。

 出力100キロワットの発電設備を1台導入。保守などを除く年間190日程度の稼働で約20万キロワット時の電力を作り、那須高原SA内の動力源に充てる計画。植物廃材を活用した電力の地産地消に向け、7年近くかけて準備してきたプロジェクトが「16年度内をめど」(佐藤課長代理)に、いよいよ実用化の局面に入る。


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