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2015年10月22日 前へ 前へ次へ 次へ

リン資源リサイクル 推進協会長「イノベーションが必要」

《リン資源リサイクル推進協議会 大竹久夫会長》


 肥料をはじめ、幅広い産業に使われ、人間や動物の生命活動にも不可欠なリン。しかし世界におけるリン鉱石の埋蔵量は700億トンといわれ、将来的な枯渇が懸念されている。とくに日本は、高純度の黄リンに支えられている産業が多く、リンの消費大国といえる一方、全量を輸入に頼る。先般、中国の黄リン工場を視察したリン資源リサイクル推進協議会の大竹久夫会長(早稲田大学リンアトラス研究所客員教授)にリンをめぐる現状を聞いた。

 ◆ 黄リンの現状は。

 「毎年採掘されるリン鉱石2.3億トンの85%が肥料など農業用で、残る15%で黄リン約72万トンを製造する。元素まで戻して作る黄リンは純度が高く、食品添加物のほか、液晶パネルや電子部品といったハイテク産業などに使われている。1トン当たり約37万円の価格で年間約2万トンを輸入しており、年間約75億円規模のビジネスが日本の基幹産業を支えている」

 「ただ商業生産しているのは中国、ベトナム、米国、カザフスタンのみ。リン鉱石の約70%はモロッコに埋蔵されているが、1トンの生産に約1万4000キロワット時もの電力を要し、さらに天然放射性物質や重金属スラグを大量排出するため、生産国は少ない。米国は国内向けにのみ製造し、カザフスタンは主に欧州へ輸出するため、日本は中国とベトナムから1対3の割合で輸入している」

 ◆ 協議会で中国の黄リン工場を視察された。

 「5月に中国のリンおよび複合肥料工業協会が来日した縁もあり、貴州省貴陽市、湖北省襄阳市の工場視察がかなった。実際の製造現場を見られたのは大きい。だが、生産にかかる電力代の割に黄リンの市場規模はさほど大きくなく、環境も汚染するとして、中国でも生産を減らしているとのこと。また現在の年間生産量約50万トンのうち約49万トンを中国内で消費しており、大手の製造者は輸出していないという。輸入元は中小企業と推定されるが、政府による中小統合が進むなか、いつまで輸出されるのか疑問が残った」

 ◆ 視察の感想は。

 「リンにはイノベーションが必要との確信を強めた。黄リンなどの製造法は何十年と技術革新がないまま。他方、埋蔵されるリン鉱石に良質なものは少なく、中国なら1割。いかに大切に使うかが問われている。そのなかで日本には、食料・飼料や製鉄原料の輸入により年間30万トンのリンが入っているが、使い捨てるのでなく、二次資源からリンを回収し、黄リンの原料とすれば自給が可能になる」

 「現在、下水汚泥やその焼却灰、畜産廃棄物からリンを回収する取り組みが始動している。電気を使わずに黄リンを製造する技術開発も進めている。回収から製造までの技術が確立すれば、廃棄による赤潮やアオコの発生を減らせるほか、同じ課題を抱える他国にも使ってもらえるのではないか」

 ◆今後の展望を。

 「安全で安価なために代替品がなく多様な産業に使われるリンだが、あって当たり前の時代はすでに去った。消費大国として、リサイクル技術の確立は責務であるとともに、食品の安全やハイテク産業を守ることにもなる。リンの重要性、取り巻く状況の深刻さを広く伝え続けていきたい」

(聞き手=藤本わかな)


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