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天津爆発 物流なお混乱 化学品管理の点検始まる
天津市の濱海新区で発生した爆発事故による日系化学企業への直接的な影響は限定的だという状況が見えてきた。しかし、物流面での混乱解消にはもうしばらくの時間がかかりそう。また、今回の事故を受けて、中国政府が化学品に対する規制強化を打ち出しており、現地で事業を展開する日系各社にとっても慎重な対応が求められる局面に差し掛かっている。
18日正午までの段階で、日系化学・素材関連メーカーの間では甚大な被害は確認されていない。2拠点を天津市内に持つトクヤマは、グループのフィガロ技研でガラスの破壊などが生じている。微多孔質フィルムを生産する天津徳山塑料有限公司は港から離れていることもあり、設備に影響はないが、天津港の出荷待ち製品に損害が出ている。再生産を行う計画だが、天津港が使えるかどうか分からないため「別の港から輸出するかを検討中」(同社)としている。
化学企業に被害がなかったとはいえ、トヨタ自動車の合弁工場の休業が長引くことによる需要停滞を心配する声は、塗料やその原料を手掛けるメーカーを中心に多い。避難勧告の出ている濱海新区だけでなく、サプライチェーン(SC)の問題から、港から離れた西青区の工場も止まっているため、先行きの懸念は高まっている。
他方、お盆休み明けとなり、日本企業の活動が本格化してきたことから、物流面への影響も大きくなりつつある。天津を経由地としていた製品については大連市(遼寧省)や青島市(山東省)などの近隣、あるいは上海へと振り返る動きが広がっており、住友化学の場合は「上海など別ルートに変更する予定」。日本ゼオンも「顧客から向け先港の変更依頼が来ている」という。西青区に特殊混和材の工場を擁する電気化学工業は、原料は河南省といった内陸から調達しているため、影響は少ないが、輸出案件が生じた際の「対応策を考えている」としている。
ただ、爆発の中心地から離れたヤードについては運用可能な状況との情報もある。三菱化学物流の中国現地法人である寧波菱信物流有限公司は、華北の需要家への納入を再開に早くも漕ぎ着けた。通関を終えている製品から出荷を始めており、残りに関しても「申請を行っている」(同社)。
半面、アンモニア系など一部の化学品に関しては大連や青島といった周辺港に陸揚げができない事例も生じており、「上海まで持ってこなければダメといわれた」(メーカー)との声も聞こえる。今回の事故にともない、当局が受け入れに保守的になっている可能性もある。また、陸上運送についても、山東省内で高速道路での危険化学品や酸・アルカリなどの「輸送制限がかかりそう」(別のメーカー)。すでに同省は7月1日付でローリー車を対象とした管理強化の方針が示されていたが、天津の爆発事故を契機に一段と拍車がかかる見込み。とくに天津と接している河北省へ向かう便は「厳しいものがある」(同)といい、陸運物流の動向にも注視する必要があるといえそうだ。
14日付で国務院が出した化学品・可燃性物質に対する緊急調査通達を踏まえ、全域で臨時の査察なども相次いでスタートしている。地域別では、上海、南京(江蘇省)、蘇州(同)、張家港(同)、東莞(広東省)の各市のほか、山東省の一部でも地元の消防や警察、安全生産監督管理局による立ち入り検査が確認されている。また危険化学品を扱っている設備や倉庫の規模、その性質や種類、貯蔵方法、消火方法や設備についてまとめるよう指示が出ているという。近く危険品の「抜き取り検査も始まる」(専門商社)見通し。規制・管理強化による、物流遅延につながる公算が大きい。
こうした動きを鑑み、自発的な取り組みを進める企業も出ている。三菱レイヨンは中国各拠点の体制などを確認している。天津も含めて14拠点がある関西ペイントも「環境・安全面での自主検査を実施する予定」(同社)。JFEケミカルも、従業員への教育などを済ませたほか、タンク・物流会社の再点検などを通じ、安全を確保していく方針だ。
今後に危機感を抱く企業も少なくない。あるメーカー総経理は「中央政府などの動きを見ていると、危険化学品企業に対する大規模な厳しい検査は必至」と話す。別のメーカー董事長も「事故を起こさないことはもちろん、発生時の消防体制を再確認することが欠かせない」と説く。一部の日系化学メーカーでは臨検で不備の指摘を受けたところがあるとの情報もある。委託先も含めて危機意識を共有し、策を講じることが強く求められる。
【写真】爆発現場を視察する李克強首相(中国外交部提供)