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Close up 旭化成 過去最大のM&A;実施
セパレーター 車載用で攻勢
"湿式・乾式"の両面作戦
旭化成がリチウムイオン2次電池(LiB)用セパレーターなどの高分子膜を手掛ける米ポリポアの買収を決めた。同社過去最大となる約2600億円(22億ドル)のM&A(合併・買収)に踏み切る背景には、後れをとるセパレーターの乾式で巻き返しを図り、成長が期待される車載向け市場でシェアを拡大する狙いがある。同社は研究開発の融合を進めながら得意の湿式膜とあわせた両面作戦を展開する構え。2020年以降の新型モデル向けで成果が問われる。
◇
「車載用LiBのセパレーターは乾式が主流になる。乾式技術を持つポリポアと補完し合い、車向けを伸ばしていきたい」。23日、記者会見した浅野敏雄社長は買収の意義をこう説いた。
*「主流」を手中に*
同社が欲しかったのはポリポアが持つ乾式膜「セルガード」の設計技術。旭化成が手掛けるLiB用セパレーター「ハイポア」は超高分子量ポリエチレンなどを原料とした湿式製法による多孔質フィルムで、スマートフォンなど民生向けに高いシェアを誇る一方、電気自動車(EV)などの車載用で伸びるのはポリプロピレン製の乾方の式だ。
足下のLiB用セパレーターの市場規模は民生で5億平方メートル、車載は2億平方メートル弱とみられるが、旭化成イーマテリアルズの高山茂樹社長は「今後の伸びは民生が3〜7%程度にとどまるのに対し、車載は20年に向け4〜5倍になる」とみる。湿式の伸びしろが小さくなるなか、ポリポアの技術を生かして車載向け市場へ切り込んでいく。
足下では、米テスラ・モーターズのEV「モデルS」のように1回の満充電で500キロメートルも走れるような高価格車のセパレーターには湿式が使用され、量産型の廉価車向けには乾式が使用される傾向がある。高山社長は「どちらが主流になるかは途上で、われわれのターゲットは20年の新型モデル」と述べ、新たな乾式技術を梃に量産型でも一定のシェアを取りたい考え。
*技術融合を急ぐ*
浅野社長は「ポリポアが我々に期待しているのも豊富な素材の知見や解析、評価技術だ」と語り、今後は技術開発の融合による新製品開発を急ぐ。ポリポアは米ノースカロライナ州のシャーロットを中心に、旭化成は富士や守山で研究を進めており、研究者の交流も活発化させる考えだ。
ポリポアは本社を置く米シャーロットをはじめ、独仏中韓タイに製造拠点を、また、インドと中国に後加工の拠点を持つ。旭化成は従来通り、自社の既存拠点は湿式に、ポリポア側は乾式に特化する意向だ。
ポリポアは旭化成にないガソリン車用の鉛蓄電池用セパレーター(13年度売上高3・1億ドル)も製造し、実はLiB用(同1・3億ドル)より稼ぎが大きい。その市場規模は6億〜8億平方メートルとみられ、年6%の安定成長が見込まれる。鉛蓄電池をEVの始動用に用いるシステムもあり、ここでも高いシナジーを見込む。
昨年末には燃料電池車(FCV)が市場投入され脚光を浴びる一方、EVの普及熱は一頃に比べて陰りもみられる。浅野社長は「米国では排ガスゼロ車種(ZEV)規制の導入が進み、欧州でも環境規制が強まっている。爆発的に増えこそしないが、普及台数は緩やかに伸びていくのではないか」と分析するが、EVの普及速度も今回のM&Aの成否の鍵を握る。
(但田洋平)
【写真説明】車載用でのシェア拡大を目指す(23日会見した左から高山茂樹旭化成イーマテリアルズ社長、浅野敏雄旭化成社長、小堀秀毅専務執行役員)