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塩ビ管は市場や原料を見据え対応を
今年度の塩化ビニル管の出荷量は11月が分岐点になりそうだ。2013年度は消費税率引き上げ前の駆け込み需要によって、13年12月から今年3月まで4カ月連続で前年同月比増加が続いた。当然、その反動で4月以降は減少に転じた。7月には回復するという期待があったものの、在庫調整の遅れもあって7-9月期も前年同期比マイナスが継続している。10月も前年同月比減少から脱し切れないが、メーカーはほぼ想定の範囲内と判断しているようだ。
住宅着工戸数が伸び悩むなか、塩ビ管の需要減は避けられない。塩ビ管の過去十数年の出荷量は、03年度の49万826トンをピークに減少に転じた。12年度にようやく減少に歯止めがかかり、昨年度は前年度比6・5%増の33万3462トンとなった。消費税率引き上げ前の住宅建設などの駆け込み需要が大きかったためだ。今年度は当初から前年度比減少は見込まれているものの、減少幅は今後の出荷動向にかかっている。
国土交通省によると、今年10月の住宅着工戸数は7万9171戸で、消費税率引き上げ前の駆け込み需要があった前年同月比では12・3%減だった。一方、リフォーム需要は堅調とみられ、9-10月の塩ビ管出荷数量が前年同月に近い水準で推移したのは、その影響という見方もある。今後のリフォーム需要次第では、新築需要の減少分を一定にカバーできるという期待もある。リフォーム需要を取り込んでいく事業戦略が課題になりそうだ。
それでも新築の着工戸数は確実に減少する。塩ビ管は海外に展開しにくい事業である。消費税率引き上げや値上げによる駆け込み需要で一時的な出荷増はあったとしても、長期的には減少傾向が避けられないだろう。今年度の出荷量は前年度に比べ9割程度に止まると予想されている。メーカー各社には需要減少を想定した事業計画が求められよう。
塩ビ管業界はクボタシーアイと積水化学工業がそれぞれ市場シェア4割程度を有し、両社で約8割を獲得していると推定されている。アロン化成、信越ポリマー、前澤化成工業、旭有機材工業なども塩ビ管を手掛けているが、将来的には各社の得意分野に経営資源を集中させて、事業再構築も迫られそうだ。
短期的には収益力の改善が重要な課題だ。最近の原油価格の下落によって原料塩ビレジンも値下がりする可能性が見込まれている。原油・ナフサ価格、為替レートの先行きは不透明だが、塩ビ管メーカー各社は原料や市場動向を注視して、的確な対応が求められる局面が続きそうである。