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日本の食を脅かす中国の胃袋
これから冬にかけて、食品が立て続けに値上げされる。一時、7年ぶりに1ドル=115円台まで下げた円安を受けて、仕入れ価格が高騰している。即席めん、コーヒー、ワイン、冷凍食品、アイスクリーム、パスタなど、家計に与える影響は大きい▼円安は、自動車など輸出産業、とくに大企業には"心地よい"環境だが、国内の中小企業にはそのメリットが届いていない。そのうえ4月の消費増税後、物価上昇に給料の伸びが追いついていない。再増税の実施時期の判断が難しくなってきた▼ところで、ジンギスカン鍋に使われる羊肉(ラム肉)も急騰している。こちらは円安に加えて、中国の大量買い付けが背景にある。ラムを使うしゃぶしゃぶ「火鍋」ブームが広がり、消費が急増している。さらに食品偽装問題が響いて国産品への不信感が強まった。昨年は、オーストラリアから中国への輸出が前の年から倍増した▼中国の巨大な胃袋が世界中の食品を飲み込む。畜産物自給を国策としてきた中国だが、豚肉や牛肉でも海外農場の買収で安定供給を図る戦略に転換している。穀物でも海外企業を買収する動きを強めている▼為替要因と隣国の消費拡大。この複合要因が日本の食を脅かす。メタボ解消に効くというラム肉と赤ワインに舌鼓を打つ機会が減るのは避けられないようだ。