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成長産業として期待高まる植物工場
農業関係の展示会で、植物工場に関連する出展がこのところ増えてきているようだ。植物工場は人工光型と太陽光型に大別され、市場規模は前者が約50億円、後者が数百億円と推定されている。市場規模は小さいが、部材、システム、さらに栽培そのものでも化学企業が参入している市場である。中長期的視点で育てたい事業だ。
日本で指折りの植物工場の研究拠点である千葉大学環境健康フィールド科学センターでは、最先端の技術を取り入れた実証実験を進めており、年間約8000人が見学・相談に訪れるという。農業と関係なかった企業でも関心は高いようだ。同センターで研究中のトマト栽培システムの一つは、ハウス栽培の2-3倍に相当する10アールあたり51トンの収穫を達成したという。
日本の農業就業人口は高齢化と減少傾向が続き、農産物の持続的な生産システム再構築が求められている。一方で、植物工場システムを成長産業として位置付けて、技術開発を強化する取り組みも始まっている。トータルシステムの海外展開も期待できる。
同センターに今春から加わったジャパンドームハウスグループの植物工場は、厚さ200ミリメートルの特殊発泡ポリスチレンをアーチ型にしたユニークな形をしている。人工光で年間52万株のレタスの収穫を見込む。素材の特性を生かした断熱性能の高さに加えて、風、積雪、地震に強く、軽量で簡単に短期施工ができる。こうした特徴をうまく生かせれば、海外の寒冷地や砂漠地帯でも栽培が可能になるかもしれない。
千葉大学以外にも植物工場の研究に取り組む大学は多い。大阪府立大学植物工場研究センターは完全人工光型植物工場研究の拠点として開発・実証・展示・研修などの事業を展開している。島根大学、明治大学、玉川大学などが積極的に取り組んでいる。わが国が世界に先駆けて成果を得るためには、オールジャパンの取り組みが求められ、とりわけ行政の継続的な支援が必要となるだろう。
もちろん植物工場は課題も残されている。初期投資が大きいので高付加価値の作物でなければ回収できない。今のところ、植物工場で栽培されている作物は、トマトやレタス、一部のハーブなどが中心となっている。ただ、トマトやレタスなどの野菜では価格設定はそれほど高くできないだろう。
今後は、国内では生産が難しい漢方薬に利用される薬草、健康食品原料や化粧品原料に使われる植物の栽培など、より付加価値の高い植物をターゲットにした研究開発が重要になってきそうだ。